【クロスゲーム】って面白い?【タッチ】【H2】と比べてみた!

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あだち充先生の高校野球を題材にした、2大傑作漫画『タッチ』『H2』

同じく高校野球を題材にした『クロスゲーム

今回の記事は【クロスゲーム】って面白い?【タッチ】【H2】と比べてみた!です。

結論から言うとタッチH2と比べるとクロスゲームの面白さは劣ると思います…

3つの理由を解説しているのでぜひ最後までお読みください。

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目次

【クロスゲーム】ってどんな漫画?

高校野球を題材に、主人公・樹多村光(きたむら こう)とその幼馴染である月島家の四姉妹との生活を描いた作品。

あだち充作品お約束「幼馴染との恋愛」「身近な人の死」「甲子園」が盛り込まれている。

こんな人に読んで欲しい

・「幼馴染との恋愛」「身近な人の死」「甲子園」のテーマにピンときた人

作品情報

作品名クロスゲーム
作者あだち充
巻数全17巻
ジャンル野球 スポーツ 恋愛 日常 甲子園
掲載誌週刊少年サンデー
連載期間2005年22・23号 – 2010年12号
アニメ2009年4月5日 – 2010年3月28日
ドラマ
映画

※以下ネタバレが有るのでご注意下さい。

【タッチ】【H2】と比べて【クロスゲーム】の面白さが劣る理由

その1:存在意義が不明なキャラクターが多い

・朝見 水輝(あさみ みずき)

月島四姉妹の従兄弟。青葉のことが好き。

出場当初は、「イケメン」「帰国子女」「月島家の血筋」とライバル要素盛り沢山で登場するも、これといった活躍もなく物語は終わりを迎える。

・なぜ水輝のキャラを活かせなかったのか

そもそも水輝が登場した時はコウは青葉のことが好きではなかった。

同じく青葉もコウのことが好きではなかった。

コウも青葉も野球をやっているのに水輝は野球をやっていない。

いかがだろうか。

三人のキャラクターで三角関係を期待するも、明確に好意があるのは水輝から青葉だけで完全に独り相撲である。

これでは盛り上がりようがない。

最後は青葉の日記を盗み見して、青葉のコウへの想いに気づいて勝手に身を引く。

・志堂 理沙(しどう りさ)

星秀学園高等部。野球部のマネージャー。

校長代理の娘で、野球に全く興味がなくマネージャーとしての役割を完全放棄。

星秀学園一軍とプレハブ組との試合も不在で、校長代理が転任後も野球部に籍を置いていたが、映画のヒロインオーディションに合格したため野球部を退部する。

・なぜ理沙のキャラを活かせなかったのか

【タッチ】の新田由加(にった ゆか)ポジション。

【H2】の小山内美歩(おさない みほ)ポジション。

美人で天の邪鬼だが実は性格が良いというポジション。

だが理沙は、ただただ嫌味で自己中なキャラクターしか描かれずフェードアウトする。

新田も小山内も主人公の後輩だったが、【クロスゲーム】ではコウの同級生だったのが致命的だったと思う。

後輩なら天の邪鬼キャラクターも温かい目で見ることが出来るが、同級生だとただただ嫌味なだけ。

そこに気がついたのか、理沙のキャラクターを掘り下げる前に、掘り下げるべきキャラを優先した結果、手に負えずフェードアウトといったところか。

・滝川 あかね(たきがわ あかね)

高校生になったコウの近所に引っ越してきた女の子。

若葉に容姿がそっくりで、コウ・月島家・明石もビックリするほど。

若葉と同じくコウや青葉に好意を持ち、一緒に行動することが多くなる。

だが終盤で突如入院・手術をすることになり、コウ・若葉・明石を不安にさせるが…

・なぜあかねのキャラを活かせなかったのか

亡くなった若葉にそっくりなあかね。

容姿だけではなくコウへの恋心も…

だがコウのことをなぜ好きになったのか、描写が非常に少ない。

コウもあかねへ好意を持っていたが、茜と同じく好意を持った理由の描写がほぼ皆無。

若葉と似ている。若葉と比べている。あかねからの好意で後天的に好意を持った。

あだち先生の意図は違うかもしれないが、そのようにしか見えなかった描写が胸糞。

若葉と比べるのではなく、あかね自身を見て好きになってほしかった。

肝心のコウは、物語の終盤に急に青葉のことが好きと言い始める。

結果、【H2】の古賀春華(こが はるか)と同じ、最終章で蚊帳の外になるという悲劇のキャラとなる。

とはいえ春華と違って、途中出場だったためダメージは少ない。

だけど途中出場だったのが、なおさら存在意義に拍車をかけた。

その2:ライバルのキャラクターが弱い

・東 雄平(あずま ゆうへい)

星秀学園高等部に「野球留学生」として入学する。

野球の実力・描写は非常に優れており、おそらく作中ナンバーワンの打者。

コウと同チームに最強のバッターがいることで、コウが対戦する相手バッターをことごとく格下にしてしまう弊害があった。

物語の途中で急に青葉のことが好きだといい出す。

それまでの描写が皆無のため、唐突感がすごかった。

野球のライバルキャラクターとしても弱く、恋のライバルとしてもコウが青葉への気持ちに気づいていなかったので意味をなさなかった。

・三島 敬太郎(みしま けいたろう)

竜旺学院高校の4番。

星秀学園が甲子園に出場するための最大のライバルとして登場する。

しかし急に出てきたキャラクターのため急造感があり、東の方が描写がすごく描かれているので、ライバルとしてはキャラクターが弱かった。

・及川 卓郎(おいかわ たくろう)

竜旺学院高校のエース。

150キロ超えの速球。全く同じフォーム、同じ腕の振りで、複数の球種を投げ分けられる。

クイックも上手くキレも制球も乱れない。

盗塁を許せる癖もなく、牽制もうまい。

外見は【タッチ】の西村。

プレースタイルは【タッチ】の和也。

個人的には強化版西村【超西村】と呼びたい。

以上のように、野球の実力は申し分ないが、急に出てきたキャラクターのため急造感が最後まで拭えなかった。

その3:脇役が弱い

というか主役級の描写すら弱い【クロスゲーム】

対して【タッチ】【H2】は脇役の描写もすごかった。

【タッチ】

・佐々木(ささき)

明青学園野球部。運動が苦手なガリ勉タイプ。

柏葉監督の命令により、甲子園予選大会で先発投手を務める。

マネージャーの由加に惚れていて、通り魔から身を挺して由加を守りケガをしてしまう。

情報収集能力が非常に高く、須見工の選手データが勝利に繋がった。

・吉田 剛(よしだ たけし)

達也大好き人間。

達也を好きすぎて野球の実力をメキメキと伸ばす。

そして新田との対決で自信が確信に変わり、キャラ変する。

達也と明星学園のエースを懸けた「エース決定戦」を提案するも、両親の都合により引っ越してフェードアウトする。

後に佐田商の投手として再登場する。

【H2】

・柳 道夫(やなぎ みちお)

千川高校の校長。守道の父親。

地元では有名な進学校の「草成高校」出身だが、草成高校が甲子園で初戦で0-30のノーヒットノーランで大敗したことをキッカケに高校野球が嫌いになる。

明和第一高校に勝利をしなければ、野球部は廃部という条件を出すが、生徒たちの頑張りを認めて野球部の創設を認める。

あまり表情を変えないポーカーフェイスだが、守道が野球をやりたいと言ったときや、千川高校が甲子園出場を決めたときにはクラッカーを鳴らすなと、人間臭い一面がある。

・古賀 富士夫(こが ふじお)

千川高校野球部監督。12歳年上の春華の兄。

栄京の城山監督とは高校時代の監督と選手の関係だが、城山の陰湿な嫌がらせにより公式戦での出場は一度もなかった。

城山を反面教師としており、高校野球は教育の一環がモットー。

・城山 義明(しろやま よしあき)

栄京学園高校野球部監督。

名将と呼ばれるが、勝つためにはデッドボールの指示をする、気に入らない選手は冷遇をする等、人間性は悪い。

千川高校の監督の古賀のことも、高校時代には冷遇をして公式戦には出場させなかった。

・小倉(おぐら)

栄京学園高校野球部。

強肩、好リードの名捕手だが、城山に嫌われており公式戦での出場はない。

だが千川戦で、自チームの捕手が自らケガをして捕手がいなくなったために公式戦出場を果たす。

・月形の祖父

甲子園出場校、伊羽商業高校のエース・月形の祖父。

無類の野球好きで息子にも野球をやらせるが、自身の贔屓のせいでチームメイトに疎まれ野球が大嫌いになった息子。

孫にも野球をやらせようとするが、以上の経験から息子が孫に野球をやらせるのに大反対に合う。

そのため、月形には本気の野球ではなく遊びの野球しか経験させられなかった。

月形の今のプレースタイルは、打たせて取るものだが、元は剛速球投手。

息子との確執により月形のプレースタイルが変わったこと、息子との確執を後悔している。

いかがだろうか。

上記のキャラクター以外にも脇役の描写が非常に素晴らしい【タッチ】【H2】

ぜひ読んでみてほしい。

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まとめ

【クロスゲーム】全体的に描写不足が面白さを欠いている理由だと思う。

描写不足のせいで、キャラクターの存在意義・急にキャラに恋する現象に拍車をかけて感情移入が出来ない。

そして亡くなった若葉の存在感が大きいというのがイマイチな点。

【タッチ】では和也が亡くなったあと、達也も南ももがきつつ自分の気持ちに決着を着けている。

【タッチ】は、和也は南を好きだった。南は達也が好きだった。達也は和也も南も好きだった。

【クロスゲーム】は、若葉がコウも青葉も好きだった。青葉は若葉が好きでコウが嫌い。コウは若葉が好き。

【タッチ】は登場キャラクターが皆誰かを好きだった。

【クロスゲーム】は青葉が若葉を好きすぎて、若葉に好意を持たれているコウが嫌いという、ちょっと面倒くさい展開。

それをうまく描写できずに、最終章で唐突にお互いの気持ちに気づくという無理矢理感がモヤモヤ感を生む原因。

【タッチ】【H2】の2大傑作のように期待して読むと、どうしても粗が目立つ【クロスゲーム】

まとめ

漫画の旅人

あだち先生は2021年現在、『MIX』を連載しているが『クロスゲーム』での反省を活かせずに展開が遅く、すっきりしない描写が続く。
もはや『タッチ』と同じ世界感・続編というだけの作品。
これ以上書くとMIXの記事になってしまうので、批評はここまで。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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それではまた次の記事でお会いしましょう。

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