今回の記事は【MAR(メル)】ありのままの感想です。
【烈火の炎】で大ヒットを飛ばした安西信行先生の次回作【MAR(メル)】。
良い点も残念な点も含めた感想です。
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MAR(メル)
【MAR(メル)】ってどんな漫画?
虎水ギンタは、クラスの中でも全然パッとしない中学2年生。いつの頃からかおとぎの国の夢を見るようになった。おかしの家に喋る木。三本の首の鳥が空を飛び、小人や妖精もいる。そんな平和な世界に魔王が現れて、姫をさらう。自分は魔王と戦い、姫を助ける…。そんな夢をもう100回以上も見ているのだ。そんなある日、教室の中に夢の世界につながる「扉」が突然現れた。クラスメイトが止めるのも聞かずに、ギンタはずっと憧れていた世界へと旅立つ!!
まんが王国 公式サイト
作品情報
作品名 | MAR(メル) |
作者 | 安西信行 |
巻数 | 全15巻 |
ジャンル | バトル・アクション ファンタジー 冒険 |
掲載誌 | 週刊少年サンデー |
連載期間 | 2003年 – 2006年 |
アニメ | 2005年4月3日 – 2007年3月25日 |
ドラマ | |
映画 |
【MAR(メル)】ありのままの感想
・ガーディアンのデザインが良い
【ジョジョの奇妙な冒険】でいうところのスタンド的な立ち位置のガーディアン。
神獣的なものを除いてオリジナリティあふれるデザインが良かった。
・敵のキャラデザインが良い
メルヘン世界をモチーフにした敵。
名前もキャラデザも元ネタのイメージを崩さないようにデザインされていた。
ガーディアンとは違って、オリジナリティがそこまでないのが逆に良かった。
・ドロシーの存在
ギンタの世界のヒロインである小雪に似たメルヘヴンのスノウ。
メインヒロインかと思いきや、メルヘヴンで最初に会ったドロシーが最後の相方でメインヒロインだったのが良かった。
・ハッピーエンド
ラスボスが親父の体を利用した邪悪のオーブ。
邪悪のオーブを追い出してオヤジの意識を体に戻す。
ムリヤリな展開だったけどハッピーエンドで良かった。
本当に死んでいたジャックの親父はちょっと可哀想だが…
・絵柄の変更
当初はキャラクターの頭身が低かった。ファンタジー世界だから意識的だと思われる。
意識的なのか無意識なのか、どちらかはわからないが当初は線が太めだった絵柄が、中盤以降は線が細くなって頭身も上がっていった。
頭身低めのほうがメルヘン世界に合っていたので残念。
・全体的にFF10っぽい
異世界から召喚される。
親父が一度メルヘヴンを救っている。
アランがアーロンっぽい。オヤジの仲間でギンタたちの保護者。
親父がラスボス。
・ファンタジー世界観を活かせてない
見た事もない果物。変な鳥。赤い岩。喋る岩。
冒険ファンタジーだったのは最初の方だけ。
むしろ裏武闘殺陣編後の【烈火の炎】の方が冒険してた。
・世界が狭い
メルヘン世界を冒険するかと思いきやウォーゲームの開催で冒険感がなかった。
世界地図や地名も設定されていたので、【ダイの大冒険】のような冒険モノだったらもっと面白かったのでは。
・強さの設定
強さの設定がチェスのコマになぞられていてわかりやすいが勝敗が見えてしまいつまらない。
・ポーン級
・ルーク級
・ビショップ級
・ナイト級
この事からギンタたちと戦うチェスの兵隊は、都合よく弱い級の敵から出てくる(一部例外はあるけどギンタが負けるとウォーゲームが終わるので、ギンタは格上とは戦わない)
【烈火の炎】では紅麗の近衛兵として十神衆がいたが、紅麗のチームを除いて対戦相手は十神衆と兵隊というユニットだった。(紅麗のチームは全員が十神衆)
その事から初期の対戦でも烈火のチームは、それぞれ十神衆に勝利するという自然な流れになっていた。
そもそも【烈火の炎】では多数の勢力が有り【MAR(メル)】のように二分していなかった。(その設定は【MAR(メル)】の読者ターゲット層は低年齢ということも有り、シンプルにしたかったという意図は汲み取れる。)
バトルフィールドとアームの相性次第で格上にも勝てたり格下に負けたりする設定。
この設定を活かしたのはチェスの兵隊のみで、メルが格上に勝利するシーンはなかった。
事前にバトルフィールドがわかるのにあえて不利なフィールドで戦うスノウが意味不明。
・ウォーゲームのルールが意味をなしてない
・バトルはチーム戦
・ジャックが負けてもチームが勝てばジャックは次のゲームに参加できる
・チェスの兵隊はチームは負けても個人で勝てば次のゲームに参加できる
・ただしキャプテンが負けた場合はウォーゲームの終了
メルのキャプテンはギンタ。チェスのキャプテンはファントム。
このことからギンタは絶対に負けないと予想できる。
普通に勝ち抜き戦かチームの過半数の勝利の単純ルールで良かったのでは。
結果的に最終戦でメルの全員勝利という超つまらない展開に繋がっている。
・ナイトが12人で12星座(ゾディアック)だったのに途中から13人の13星座になっちゃう
出典:安西信行 MAR 6巻 小学館
特に理由も語られず。
出典:安西信行 MAR 7巻 小学館
そもそもチェスのコマをモチーフにしているのにさらに星座のモチーフを重ねることで意味がわからなくなってる。
それならばファントムの近衛兵をゾディアック(12星座)にする「十神衆」設定で良かったのでは…
・アームはアクセサリーの形をしているが意味をなしていない
リングダガー。ネックレスブレード。
当初はアクセサリーの形状をウェポン名にしていたが、形状が能力に影響を与えないので意味がない。
・どうしても烈火の炎と比べてしまう
ファントムとロランの関係は紅麗と小金井。
戦闘パターンも烈火の炎で見たパターンが多い。
・戦闘のパターンが単調
ウェポンアーム(ネイチャーアーム)使用、敵が過去を語る、最後はガーディアンアームで決着。
最後の方はアームを使用せずに普通にガーディアンを出していた。
あと爆発の能力が出すぎ。
・ガーディアンアームの設定が変わった
当初はスノウいわく接近戦が苦手な人のためのアームだったが、完全に最後の切り札の必殺技的扱いになっていた。
この辺の事情は、スノウの知識不足・戯言として辻褄を合わせることはできる。
・最後の展開が急すぎる
ウォーゲームが終わったあとは駆け足のように終わっていく。
キャラの過去等、背景に描写不足が非常に多い。
メインキャラクターでさえまともに過去を描かれないので、感情移入しにくい。
まとめ
【MAR(メル)】ありのままの感想でした。
全体的に惜しい作品。
理屈っぽいことを抜きにすれば普通に楽しめる作品です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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それではまた次の記事でお会いしましょう。
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