【美味しんぼ】20巻 全話レビュー「海原雄山を刺す気はない？」

長年愛され続ける名作『美味しんぼ』

『美味しんぼ』全巻レビューシリーズでは、各巻のエピソードを一話ずつ丁寧に読み解き、食・人間・社会をテーマに描かれた物語を深く掘り下げます。

この記事では、その中から【第20巻】に収録されたエピソードを解説します。

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【美味しんぼ】20巻 各話あらすじ&レビュー

【美味しんぼ】20巻のおすすめポイント

・因果応報の海原雄山

【美味しんぼ】20巻 各話レビュー

20巻1話【奇妙な皿】

栗田は仕事帰りに立ち寄った店で、アンティークな皿に一目惚れして有り金をはたいて皿を購入する。
山岡は「その皿は本物の名品だ」という。

お気に入りの皿を購入してご機嫌な栗田だったが、皿を購入した夜から奇妙な夢を見始める。
皿には仙人になるために修行をしていた少年、丘士郎が閉じ込められており「美味しいものを食べないと皿から出ることが出来ない」という。

栗田は山岡に相談して美味しいものを探しに行くが…

山岡達がテレポートするエピソード→6巻6話【日本のコンソメ】

20巻2話【山の秘宝】

「東西新聞社」に「尋ね人の欄に息子を載せてほしい」という中年が訪ねてくる。
山岡と栗田は理由を聞くと「先祖伝来の宝物を息子に譲らないといけないからだ」という。
だが東西新聞は尋ね人の欄は廃止されており、山岡は社会部に頼みに行く。

無事息子は発見されて、息子に宝物を譲るというので山岡達も同席するが…

20巻3話【マツタケ・ドリーム】

茶碗の展示会に来た、山岡と栗田。
展示会では唐山陶人と弟子の甲田周一も来ているが、甲田は「陶芸家を辞める」という。
理由は「馬蝗絆という茶碗に憧れて馬蝗絆の美しさを再現しようと作り続けてきたが、それがかなわない」から。

甲田の陶芸を見た山岡。
山岡「ほんとだねえ。」
栗田「山岡さん！どうしてそんなひどいことを言うの!?」

山岡「だって、ダメな物はダメでしょうがないじゃないか。」

唐山陶人はお別れ会の幹事を山岡に任せることに。

そして広島に向かう山岡達だが…

20巻4話【蒸し焼き勝負〈前編〉】

周大人の誕生日パーティーに招待された、山岡達。
タクシーが故障して徒歩で向かっているところ、海原雄山の乗る車に轢かれかける山岡。

慌てて飛び出した中川に対して

海原雄山「野良犬の一匹や二匹ひき殺したからといって、いちいち私の車を止めるな！放っておけ！」

乞食鶏を食べる一同だが、パーティー会場でも挑発を続ける海原雄山。

次の究極のメニューと至高のメニューの対決は「蒸し焼き料理」に決定する。

渋滞にご機嫌斜めな海原雄山のエピソード→14巻9話【椀方試験〈前編〉】
後に天罰が下って、交通事故に合う海原雄山のエピソード→76巻4話【雄山の危機!?〈1〉】

20巻4話【蒸し焼き勝負〈後編〉】

前回からの連続エピソード。

炮烙鍋とタンドーリを使った料理を試作する山岡だが、乞食鶏を超える味にはならず考え込む。

気分転換に公園に行き子供達の砂遊びを見て、何かを閃いた山岡だが…

20巻5話【カニカニ大合戦】

駆け足で三谷との待ち合わせに向かう山岡。
二人でジャズを楽しもうとするが、三谷夫人と栗田に後をつけられて一緒に行く羽目に。

山岡達が期待していた「ザ・カルテット」というグループだが、呼吸が合わず一曲で演奏が終了する。
理由を尋ねると「好きなカニの種類が合わずにお互いを憎しみ合うようになった」という。

「カニで起こった揉め事はカニで収めるしかない」という山岡だが…

20巻6話【カキの料理法〈前編〉】

歌舞伎見物に来た、山岡、栗田、中松警部、歌子。
偶然にも海原雄山も歌舞伎を見に来ていたが、海原雄山は路上で刺し殺されそうになる。
事件は未遂で終わるが、様子が気になった中松警部達は、事情を聞きに警察署に向かう。

海原雄山を刺殺しようとした男の名前は川地郁一。
川地は京橋で「元気亭」という小さなレストランをやっており、ジャンルはこだわらず和洋中の美味しいものを作るなんでも屋。
自由で柔軟な発想による新しい味の発見がモットー。

そんな「元気亭」に海原雄山が来店するが、生ガキを一目見て激高する。

・オードブルに生ガキ、生ガキにはレモン。決まりきった一皿
・真心を込めて人をもてなそうという心も、新しい味を発見する気概もない
・自由で柔軟な発想による新しい味の発見などと能書きだけは立派だが、最初の一皿で馬脚をあらわす

その後、海原雄山はマスコミで「元気亭」の名前を出してダメ出しをしたため、評判が悪くなり店に客が来なくなったという。

それを聞いた山岡は川地にある提案をする。

山岡「海原雄山を刺す気はない？」

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20巻6話【カキの料理法〈中編〉】

前回からの連続エピソード。

「究極のメニュー」と「至高のメニュー」の対決、第7弾は「カキ料理」を題材にする。

相撲部屋に稽古を見に来ると中川から聞いた山岡は、川地を連れて相撲部屋に行く。
そこで川地の作った「焼いたカキと炒めたカキ」を披露して、海原雄山に挑戦状を叩きつける。

「元気亭」で究極のメニューの蒸したカキを試作する山岡達。
そこに海原雄山が来店してヤキメシを注文する。

川地の腕を認めた上で、山岡への挑発を忘れない海原雄山。

20巻6話【カキの料理法〈後編〉】

前回からの連続エピソード。

「至高のメニュー」との対決を翌日に控えている山岡。
だが「究極のメニュー」は決まっておらず、「元気亭」に向かおうとするが、中松警部が最高のタンメンをご馳走してくれるという。

タンメンを見た山岡はある料理法を閃いて…

20巻7話【真心の正月】

「ニューギンザデパート」のおせち料理大会に来た、山岡と栗田。
「金襴楼」のおせち料理は高級食材を使用しており、価格は30万円。
「金襴楼」の金木社長は「少々値が張っても晴れのお正月は豪華絢爛にしたい」という。

「深倉」のおせち料理は昔ながらの伝統料理。
深倉の社長は「贅沢な食材を使用するだけでは伝統行事の意味が失われる」という。

それを聞いた金木社長に「伝統は時代によって変わる。第一食べる人に喜んでもらえなかったら意味がない」と言われる。
そして皆の前で「金襴楼」と「深倉」どっちのおせち料理を食べたいか質問をするが、客は「金襴楼」のおせち料理と答える。
膝から崩れ落ちる深倉の社長。

その晩、山岡達は岡星に食事に行く。
岡星は「『深倉』の社長と中学時代からの友人で、岡星が料理人になるきっかけの人だ」と話す。
そこに深倉が現れて、岡星に「『深倉』をチェーン店にして金と力を手に入れることにした」と伝えに来る。

大反対する岡星の意見を聞かずに店をあとにする深倉だが…

まとめ

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「食とは、人生そのものだ。」
ただのグルメアニメではない、“人間ドラマ×食の探求”がここにある。

アニメ『美味しんぼ』は、新聞社の記者・山岡士郎と栗田ゆう子が、
“究極のメニュー”をテーマに日本中の食を追い求める名作グルメアニメです。

食材の奥深さ、料理人の矜持、そして“本当に美味しいとは何か”という問い。
登場する料理のひとつひとつに、作り手の想いと文化が込められています。

また、山岡と父・海原雄山との確執や、食を通じた人間関係の再生など、
単なるグルメを超えた“人生の味わい”を感じさせる作品です。

何度見ても新しい発見がある、まさに“食の教養アニメ”。
美味しんぼを通じて、あなたの「食の哲学」も変わるかもしれません。

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