『MAR(メルヘヴン)』は、『烈火の炎』で人気を博した安西信行先生の作品です。
ファンタジー世界を舞台に、少年ギンタの冒険を描いた王道バトルファンタジーとして知られています。
この記事では、全16項目にわたって『MAR(メルヘヴン)』の魅力と課題を徹底レビュー。
ガーディアン(アーム)のデザインや設定、ストーリー構成、ラストの展開などを細かく検証し、
『烈火の炎』との「違い」「進化」そして「惜しい点」まで率直に語ります。
作品の完成度を多角的に振り返りたい方や、安西信行作品を時系列で追いたい方におすすめの内容です。
『MAR(メルヘヴン)』は各サービスで試し読みできます。
特徴が少しずつ違うので、使いやすいものを選んでください。
【MAR(メルヘヴン)】ってどんな漫画?
メルヘンファンタジー世界に憧れていた少年・虎水ギンタ。
ある日突然、彼は“メルヘヴン(MÄR Heaven)”と呼ばれる異世界へと召喚される――。
そこは魔法の武器「ÄRM(アーム)」を使い、夢と冒険と戦いが渦巻くファンタジーの世界。
現実では非力だったギンタが、メルヘヴンでは驚異的な力を発揮し、仲間たちと共に壮大なバトルに挑む物語です。
友情・成長・冒険――少年漫画の王道をすべて詰め込んだような爽快感が魅力。
夢と現実、希望と絶望が交錯するこの世界で、ギンタが掴む“本当の強さ”とは?
『MAR Ω』
MAR(メルヘヴン)の続編。ウォーゲームから6年後のメルヘヴンを描く。
『MAR-メルヘヴン-』
2005年のアニメ作品。
「紹介している作品は、2022年1月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。」
作品情報
| 作品名 | MAR(メル) |
| 作者 | 安西信行 |
| 巻数 | 全15巻 |
| ジャンル | バトル・アクション ファンタジー 冒険 |
| 掲載誌 | 週刊少年サンデー |
| 連載期間 | 2003年 – 2006年 |
| アニメ | 2005年4月3日 – 2007年3月25日 |
| ドラマ | |
| 映画 |
【MAR(メル)】ありのままの感想
ガーディアンのデザインが良い
『ジョジョの奇妙な冒険』でいうところのスタンド的な立ち位置のガーディアン。
神獣的なものを除いてオリジナリティあふれるデザインが良かった。
敵のキャラデザインが良い
メルヘン世界をモチーフにした敵。
名前もキャラデザも元ネタのイメージを崩さないようにデザインされていた。
ガーディアンとは違って、オリジナリティがそこまでないのが逆に良かった。
ドロシーの存在
ギンタの世界のヒロインである小雪に似たメルヘヴンのスノウ。
メインヒロインかと思いきや、メルヘヴンで最初に会ったドロシーが最後の相方でメインヒロインだったのが良かった。
ハッピーエンド
ラスボスが親父の体を利用した邪悪のオーブ。邪悪のオーブを追い出してオヤジの意識を体に戻す。
ムリヤリな展開だったけどハッピーエンドで良かった。
本当に死んでいたジャックの親父はちょっと可哀想だが…
キャラやバトルを改めて見直したい方へ
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絵柄の変更
当初はキャラクターの頭身が低かった。ファンタジー世界だから意識的だと思われる。
意識的なのか無意識なのか、どちらかはわからないが当初は線が太めだった絵柄が、中盤以降は線が細くなって頭身も上がっていった。
頭身低めのほうがメルヘン世界に合っていたので残念。
全体的にFF10っぽい
異世界から召喚される。
親父が一度メルヘヴンを救っている。
アランがアーロンっぽい。オヤジの仲間でギンタたちの保護者。
親父がラスボス。
ファンタジー世界観を活かせてない
見た事もない果物。変な鳥。赤い岩。喋る岩。
冒険ファンタジーだったのは最初の方だけ。
むしろ裏武闘殺陣編後の『烈火の炎』の方が冒険してた。

世界が狭い
メルヘン世界を冒険するかと思いきや、ウォーゲームの開催で冒険感がなかった。
世界地図や地名も設定されていたので『ダイの大冒険』のような冒険モノだったらもっと面白かったのでは。
強さの設定
強さの設定がチェスのコマになぞられていて、わかりやすいが勝敗が見えてしまいつまらない。
・ポーン級
・ルーク級
・ビショップ級
・ナイト級
この事からギンタたちと戦うチェスの兵隊は、都合よく弱い級の敵から出てくる(一部例外はあるけどギンタが負けるとウォーゲームが終わるので、ギンタは格上とは戦わない)
『烈火の炎』では紅麗の近衛兵として十神衆がいたが、紅麗のチームを除いて対戦相手は十神衆と兵隊というユニットだった。(紅麗のチームは全員が十神衆)
その事から初期の対戦でも烈火のチームは、それぞれ十神衆に勝利するという自然な流れになっていた。
そもそも『烈火の炎』では多数の勢力が有り『MAR(メル)』のように二分していなかった。(その設定は『MAR(メル)』の読者ターゲット層は低年齢ということも有り、シンプルにしたかったという意図は汲み取れる。)
バトルフィールドとアームの相性次第で格上にも勝てたり格下に負けたりする設定。
この設定を活かしたのはチェスの兵隊のみで、メルが格上に勝利するシーンはなかった。
事前にバトルフィールドがわかるのに、あえて不利なフィールドで戦うスノウが意味不明。
ウォーゲームのルールが意味をなしてない
・バトルはチーム戦
・ジャックが負けてもチームが勝てばジャックは次のゲームに参加できる
・チェスの兵隊はチームは負けても個人で勝てば次のゲームに参加できる
・ただしキャプテンが負けた場合はウォーゲームの終了
メルのキャプテンはギンタ。チェスのキャプテンはファントム。
このことからギンタは絶対に負けないと予想できる。
普通に勝ち抜き戦かチームの過半数の勝利の単純ルールで良かったのでは。
結果的に最終戦でメルの全員勝利という超つまらない展開に繋がっている。
ナイトが12人で12星座(ゾディアック)だったのに途中から13人の13星座になっちゃう
出典:安西信行 MAR 6巻 小学館
特に理由も語られず。
出典:安西信行 MAR 7巻 小学館
そもそもチェスのコマをモチーフにしているのに、さらに星座のモチーフを重ねることで意味がわからなくなってる。
それならばファントムの近衛兵をゾディアック(12星座)にする「十神衆」設定で良かったのでは…
アームはアクセサリーの形をしているが意味をなしていない
リングダガー。ネックレスブレード。
当初はアクセサリーの形状をウェポン名にしていたが、形状が能力に影響を与えないので意味がない。
どうしても『烈火の炎』と比べてしまう
ファントムとロランの関係は、紅麗と小金井。
戦闘パターンも烈火の炎で見たパターンが多い。
戦闘のパターンが単調
・ウェポンアーム(ネイチャーアーム)使用。
・敵が過去を語る。
・最後はガーディアンアームで決着。
最後の方はアームを使用せずに普通にガーディアンを出していた。
あと爆発の能力が出すぎ。
ガーディアンアームの設定が変わった
当初はスノウいわく接近戦が苦手な人のためのアームだったが、完全に最後の切り札の必殺技的扱いになっていた。
この辺の事情は、スノウの知識不足・戯言として辻褄を合わせることはできる。
最後の展開が急すぎる
ウォーゲームが終わったあとは駆け足のように終わっていく。
キャラの過去等、背景に描写不足が非常に多い。
メインキャラクターでさえまともに過去を描かれないので、感情移入しにくい。
まとめ
漫画の旅人【MAR(メルヘヴン)】全16項目で徹底レビュー!ガーディアン・設定・ラストの評価まとめでした。
全体的に惜しい作品。
理屈っぽいことを抜きにすれば普通に楽しめる作品です。
この記事が『MAR(メルヘヴン)』に興味を持つきっかけになれば幸いです。
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夢の世界が、現実になる――。
少年・虎水ギンタが導かれたのは、メルヘヴンという異世界。
そこでは“アーム”と呼ばれる魔法のアイテムを使い、戦いが繰り広げられていた。
アニメ『メルヘヴン』は、冒険・友情・成長をテーマに描かれたファンタジーバトルアニメ。
“アーム”による戦闘シーンはもちろん、仲間との絆やギンタの前向きな心が熱く胸を打ちます。
どんな逆境でもあきらめず立ち向かう姿は、まさに少年マンガの王道。
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