『LOST MAN(ロストマン)』は、草場道輝による“サッカー×ミステリー”の異色スポーツ漫画。
この記事を読むと――
✅ サッカー漫画として異例の構成がなぜ評価されているのか
✅ エージェント・サカザキというもう一人の主役の存在
✅ 「全ポジション可能」というチート設定に隠された意味
この3つの魅力がわかります。
記憶喪失のサッカー選手・マツモトと、彼をビジネスとして導くエージェント・サカザキ。
プレーの裏に秘められた“過去と真実”が、試合の展開とともに少しずつ明らかになっていく。
サッカー漫画の熱さと、心理戦のスリルを兼ね備えた知的ドラマ。
草場道輝のリアルなサッカー描写と、緻密な人間ドラマが融合した『LOST MAN』は、スポーツ漫画の枠を超えた“思考型エンタメ”として必読の一作です。
『LOST MAN(ロストマン)』ってどんな漫画?
記憶喪失の男・マツモト。
黒髪で鋭い眼光を持つ彼は、自分が何者かも思い出せないままサッカーだけを本能的に覚えていた。
その才能を見出したのが、スポーツエージェントのサカザキ。
彼はマツモトを“商品”として扱い、各国のプロリーグに助っ人として売り込む。
ルーマニア、ブラジル、イングランド――どのチームでもマツモトは驚異的なパフォーマンスを見せ、
サイドバックからフォワードまで全ポジションを完璧にこなす“万能選手”として活躍していく。
だが物語は単なる成り上がりではない。
各地での活躍の裏に、マツモトの記憶の断片が少しずつ浮かび上がる。
「なぜ記憶を失ったのか?」「サカザキとの過去に何があったのか?」
その真相が明らかになるとき、二人の関係は思いもよらぬ形で交錯していく――。
『LOST MAN(ロストマン)』のおすすめポイント💡
・サッカー×ミステリーの異色構成
・エージェント・サカザキというもう一人の主役
・「全ポジション可能」なチート設定と成長譚
作品情報
| 作品名 | LOST MAN(ロストマン) |
| 作者 | 草場道輝 |
| 巻数 | 全17巻 |
| ジャンル | スポーツ/サッカー/フットボール/ギフテッド/ミステリー |
| 掲載誌 | 週刊ヤングサンデー(2008年21・22号から休刊号の35号) ビッグコミックスピリッツ(2008年から2012年17号) |
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『LOST MAN』を読む
サッカー×ミステリーの異色構成が秀逸
『LOST MAN(ロストマン)』の最大の特徴は、“サッカー漫画でありながらミステリー作品でもある”という点だ。
サッカー漫画と言えば、勝利を目指す熱血展開や、仲間との絆を描くのが王道。
しかし本作はその枠に収まらず、「記憶喪失」というサスペンス的な要素を中心に物語が進行する。
試合での勝敗だけでなく、主人公・マツモトが“自分という存在を取り戻す”ことが、もう一つの大きな目的になっている。
マツモトは、なぜ記憶を失ったのか?
なぜ彼はどのポジションでも圧倒的な実力を発揮できるのか?
そして彼とエージェント・サカザキの間にどんな過去があるのか?
この3つの謎が、サッカーシーンと並行して丁寧に描かれていく。
読者は試合のスリルを楽しみながら、同時に“記憶の真相”を追う。
つまり、ピッチの中で繰り広げられる攻防が、そのままストーリーの“伏線”になっている。
さらに圧巻なのは、草場道輝ならではのリアルなサッカー描写。
『ファンタジスタ』で培われたテクニカルな戦術構成、フォーメーションの変化、そしてボール一つで感情を表現する緻密な作画力が、物語の重厚さを支えている。
試合に勝つだけでは終わらない。
勝利の先に「真実を掴む」というもう一つの目的がある――。
この緊張感が読者を最後のページまで引きずり込む。
エージェント・サカザキというもう一人の主役
サッカー漫画の中で、ここまで“裏側”をリアルに描いた作品は珍しい。
『LOST MAN』では、マツモトの代理人であるサカザキが、もう一人の主人公として物語を動かしていく。
サカザキはスポーツエージェント――つまり「選手を商品として扱う」人物だ。
彼の仕事は、選手をチームに売り込み、契約金を交渉し、スポンサーを取り付けること。
その冷徹なビジネス感覚は、一見すると非情に見えるが、彼なりの信念がある。
「才能を生かすことが最大の正義」――それがサカザキの哲学だ。
マツモトのような天才を見出し、彼を世界各国のクラブに送り込む。
その過程で見えるのは、サッカーの華やかさの裏にある“金と契約の現実”だ。
クラブの経営事情、移籍の駆け引き、代理人同士の情報戦…。
草場道輝は、サッカー漫画でありながら、まるで経済サスペンスのような世界を構築している。
だが、サカザキの魅力はそれだけではない。
彼はただの冷徹なビジネスマンではなく、マツモトの過去に深く関わる存在でもある。
彼だけが、マツモトの“記憶喪失の真相”を知っている。
だからこそ、ビジネスとしての関係の裏に、複雑な感情と葛藤があるのだ。
物語が進むにつれ、彼の“本当の目的”が少しずつ明らかになっていく。
それは利益ではなく、ある種の贖罪や執着にも近い。
この二人の“取引”のような関係が、15年間の勝利請負人としての生活を通して、互いが互いの能力を最大限に信頼しているのが本作最大のドラマである。
草場道輝はこのサカザキを通じて、「勝利とは何か」「才能を利用するとはどういうことか」
という哲学的テーマを投げかけている。
サッカーを通して、人間の欲望・信頼・裏切りを描き出す――。
『LOST MAN』が単なるスポーツ漫画にとどまらない理由が、ここにある。
「全ポジション可能」というチート設定の意味
『LOST MAN』を語るうえで外せないのが、マツモトのチート的サッカーセンス。
FW・MF・DF・GK――すべてのポジションをこなすという、現実離れした設定だ。
だが、この“万能さ”は単なるご都合主義ではない。
それは、記憶を失った人間が持つ「無限の可能性」を象徴している。
マツモトは過去を失ったことで、自分を表現する唯一のアイデンティティとして
サッカーをプレイする。
幼少の頃から各国で「勝利請負人」として、瞬時にチーム事情を把握して、弱点をカバーする。
その特異な性質が全ポジション可能(ただしキーパーとしてある条件を満たすキャッチングが苦手)
という奇跡の技を身に着けた。
また、各国リーグでの助っ人時代も秀逸。
ルーマニアではサイドバック、ブラジルではゴールキーパーとフォワード、イングランドでは司令塔、中盤の底からセンターバック。
それぞれの国で異なるサッカースタイルに適応していく姿は、フィールド内だけではなくフィールド外の人間関係にまで気を配らなければならない。
“自分の記憶”をなんとしても取り戻すという強い精神力を描いた成長譚でもある。
イングランドでのマツモトの背番号「66」
その意味を知ったとき、きっと震えるだろう。
少年漫画的な“チート設定”を、ここまで物語の核に昇華した例は珍しい。
草場道輝の構成力と脚本力の高さを感じさせる名設定である。
まとめ
漫画の旅人青年誌ながら全ポジション可能というチート設定。
少年誌のように日本代表で優勝を目指すというストーリーではなく、あくまでもマツモト個人に焦点を当てたストーリー。
記憶喪失のマツモトによる、チームメイトやその家族との人間関係がとても面白い。
もちろんサッカーの試合自体も最高。
大ゴマ、見開きの使い方。迫力あり。
マツモト、サカザキ、詩乃は、同じくサッカーを題材とした草場道輝先生の作品『ファンタジスタステラ』にも数コマ登場する。
この記事が『LOST MAN』に興味を持つきっかけになれば幸いです。




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