今日ご紹介する漫画は【大長編ドラえもん VOL.2 のび太の宇宙開拓史】
・この記事を読むとわかること
『大長編ドラえもん のび太の宇宙開拓史』は、悪の存在がはっきりと描かれた、非常にわかりやすい構造の物語である。
しかしそのわかりやすさは、物語を軽くするためのものではない。
搾取や暴力が正面から描かれ、子ども向け冒険譚としては重みのある展開が最後まで貫かれている。
本作では、星の環境の違いによって、のび太は一時的に「強い側」に立つことになるが、それは万能感を与えるための設定ではない。
恐怖や迷いを抱えたまま、それでも自分の意志で行動し続けることが求められる。
この記事では、『宇宙開拓史』がなぜ善悪の明確さと重さを両立できているのか、そしてのび太が「守られる存在」ではなく「冒険の当事者」として成立している理由を、物語構造に沿って読み解いていく。
『大長編ドラえもん VOL.2【のび太の宇宙開拓史】』ってどんな漫画?
『のび太の宇宙開拓史』は、大長編ドラえもんシリーズ第2作であり、「冒険の舞台を宇宙へ拡張しながら、問題の本質を一切派手にしなかった作品」である。
物語の始まりは偶然である。
のび太の部屋と遠い惑星が空間的に接続され、未知の開拓星と地続きになる。そこには重力の軽い世界で生きる人々と、彼らを搾取する支配構造が存在していた。
本作は、侵略者との戦争を描く話ではない。
また、宇宙人と友達になるだけの物語でもない。
描かれるのは「便利な力を持たない側が、どのように耐え、選び、立ち向かうか」である。
ドラえもんはいる。ひみつ道具もある。
しかし、それらは決定打にならない。
のび太たちは戦いを「引き受けさせられる」のではなく、「引き受けてしまう」。
この時点で、大長編ドラえもんはすでに
子ども向け冒険譚の顔をした、社会構造と自立の物語になっている。
作品情報
| 作品名 | 大長編ドラえもん VOL.2【のび太の宇宙開拓史】 |
| 作者 | 藤子・F・不二雄 |
| 巻数 | 全1巻 |
| ジャンル | SF/宇宙/スーパーマン/武田鉄矢 |
| 掲載誌 | 月刊コロコロコミック(1980年8月 – 1981年1月) |
| アニメ映画 | 1981年3月14日 |
| 関連作品 | 映画ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 (リメイク作品/2009年3月7日) |
『大長編ドラえもん VOL.2【のび太の宇宙開拓史】』の魅力3点
魅力① 明確な悪と対峙する、わかりやすくも重みのある物語構造
『のび太の宇宙開拓史』には、ガルタイト鉱業という極めて明確な悪役が存在する。
搾取、支配、暴力。
ロップルの父を事故に見せかけて殺害するなど、その悪は決して曖昧ではない。
ロップルの父が発見したコーヤコーヤ星。
まだまだ発展途上で開拓する必要のある星だけれど、空気がきれいで動物もたくさんいる。
何より反重力エネルギーが発生する、貴重な「ガルタイト」という鉱石でできている。
それゆえにガルタイト鉱業から星自体を狙われて、立ち退きを共用させられる悲劇にも襲わてしまうが…
それでもドラえもんたちは戦う。
理由は正義でも使命でもなく、目の前で苦しんでいる友を見捨てられないからである。
勧善懲悪でありながら、後味は軽くない。
このバランスこそが、子ども向け冒険譚としての完成度を高めている。
魅力② のび太が星の環境の違いでスーパーマンになっている
コーヤコーヤ星では重力が弱く、のび太ですらスーパーマンになれる。
ガルタイトの大人たちを相手に、秘密道具を使用せずに肉弾戦で立ち向かえるほど。
ガルタイトはドラえもん史上屈指の悪役なので、惑星を破壊しようとしたり、拳銃でのび太たちを狙い撃ってくる等手加減を知らない。
そんなガルタイト相手にはドラえもんも持てる限りのひみつ道具で応戦する。
大長編ドラえもんは、「ひみつ道具便利すぎる問題」を何とかするために、故障等のデバフをかけることがお約束だが、本作では相手が屈指の悪役なので縛りがなくスッキリする。
魅力③ のび太が「冒険の当事者」として立ち続ける物語
『のび太の宇宙開拓史』では、のび太は決して守られるだけの存在ではない。
戦いの前線に立ち、危険を恐れ、迷いながらも、自分の意志で行動を選び続ける。
ドラえもんも共に戦う。
しかし物語の重心は常に、のび太が「何を選ぶか」に置かれている。
助けられる側から、共に立つ仲間へ。
その移行が、説教や成長宣言ではなく、冒険の流れの中で自然に描かれる点が重要である。
だからこそ読者は、「強くなったのび太」ではなく、「一緒に冒険したのび太」を記憶する。
『宇宙開拓史』は、のび太が冒険譚の主人公として成立した最初の完成形なのだ。
『のび太の宇宙開拓史』は、漫画だけでなくアニメ映画としても再解釈されてきた作品である。
原作の構造を踏まえたうえで映像版を見比べると、開拓というテーマが時代ごとにどのように描き直されてきたのかが見えてくる。
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中の人のあとがき
漫画の旅人大長編の第二作目です。
ワープの原理をとても分かりやすく説明してくれた。
自分が人にワープの説明をする時は、未だにロップル君方式を採用している。
「どこでもドア」は十光年以内の星にしか行けないという設定が出てきた。
大長編は便利すぎるひみつ道具に制約をかけてくるのが面白い。
ジャイアン・スネ夫・しずかちゃんとの友情より、ロップル君との友情の方が深く感じた。
作中内でものび太『ずうっと昔からの親友だったような気がするんだ』と言っている。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が『大長編ドラえもん VOL.2【のび太の宇宙開拓史】』に興味を持つきっかけになれば幸いです。
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