『説得ゲーム』はなぜ心をえぐるのか
生きる理由を問い続ける近未来SF短編集の本質
『説得ゲーム』はなぜ心をえぐるのか
生きる理由を問い続ける近未来SF短編集の本質
今日ご紹介する漫画は『説得ゲーム』
この記事を読むと、『説得ゲーム』が単なるSF短編集ではなく、「生きることへの納得」をテーマにした人間ドラマである理由がわかる。
各話に共通する思想、設定の使い方、そして読後に残る違和感や痛みの正体を整理しながら、本作がどのような読者に刺さる作品なのかを明確にしていく。
『説得ゲーム』ってどんな漫画?
『説得ゲーム』は、戸田誠二による近未来SF短編集である。
舞台は現実世界とほぼ地続きの「少し先の未来」
科学技術や制度がわずかに進んだ社会を背景に、「生きるとは何か」「人は何に納得して生きているのか」という問いを、静かで切実な物語として描く。
本作には表題作「説得ゲーム」を含む複数の短編が収録されている。
いずれも派手な事件や劇的な逆転は少なく、登場人物の内面の葛藤と選択に焦点が当てられている点が特徴である。
SF設定はあくまで思考実験の装置であり、物語の核は常に人間の感情と倫理にある。
作品情報
| 作品名 | 説得ゲーム |
| 作者 | 戸田誠二 |
| 巻数 | 全1巻 |
| ジャンル | 短編集/SF/人生/死/近未来 |
| 掲載誌 | 2006年7月に宙出版から発行 |
『説得ゲーム』の魅力3点
魅力①SF設定を使った「生の価値」の可視化
『説得ゲーム』の最大の特徴は、SF的な設定を用いながらも、その使い方が極めて抑制的である点にある。
時間移動、脳移植、制度化された説得行為といった要素は登場するが、それ自体が物語を牽引する主役にはならない。
あくまで「人が生きる理由を言語化せざるを得ない状況」を作るための装置として機能している。
たとえば表題作「説得ゲーム」では、「生き続けること」を他者に説得できなければ終わってしまう状況が描かれる。
ここで問われるのは、生きる意味そのものではなく、「自分はそれを他人に説明できるのか」という点である。
この構造が非常に残酷で、かつ現実的だ。
人は普段、生きる理由を明確に言語化しなくても生きていける。
しかしこの作品では、その曖昧さが許されない。
理屈として理解できる説明と、感情として納得できる説明のズレが、登場人物を追い詰めていく。
SF設定は未来的でありながら、問いは極めて現在的だ。
仕事、家族、恋人、社会的役割といった要素が、本当に「生きる理由」になり得るのか。
読者自身にも同じ問いが突きつけられる構造になっている。
魅力②正しさと納得のズレを描く人間関係
本作に登場する人物たちは、論理的に間違った選択をしているわけではない。
むしろ多くの場合、社会的には「正しい」判断をしている。
それでも物語は救いに向かわない。
理由は明確で、「正しさ」と「本人の納得」が一致していないからである。
『説得ゲーム』では、このズレが人間関係の中で浮き彫りにされる。
「NOBODY」では、外見が変わったことで生じる家族や恋人との断絶が描かれる。
論理的に考えれば同一人物であるにもかかわらず、感情がそれを拒絶する。
ここでは理屈の正しさが、人間関係を修復する力を持たないことが示される。
「クバード・シンドローム」でも同様だ。
理解しようとする姿勢と、実際に当事者になることの隔たりが、丁寧に描かれている。
善意や共感が、必ずしも相手を救うとは限らないという現実がある。
本作は、人間関係における「わかっている」と「受け入れられる」の違いを執拗に描く。
この冷静さが、作品全体に独特の苦さを与えている。
魅力③読後に残る「答えの出なさ」
『説得ゲーム』は、答えを提示しない作品である。
どの短編も、問題提起の形で終わることが多く、明確な救済や結論は示されない。
しかしそれは投げっぱなしではない。
読者が自分自身の価値観で考え続ける余地を、意図的に残している。
生きる理由は、人によって異なる。
他人にとっての正解が、自分にとっての答えになるとは限らない。
この前提を、作品は一貫して崩さない。
だからこそ読後に残るのは、安心感ではなく、静かな不安と問いである。
「自分は、もし説明を求められたら何と言うのか」
その問いは、読み終えた後も消えない。
この余白こそが、『説得ゲーム』が長く心に残る理由である。
中の人の一言感想
【キオリ】
脳だけで生きている人のお話。
漫画の旅人脳の動きは電気による信号と反応と理屈はわかるのだけれど、やっぱり身体が大事ってこと身に染みる。
他のお話に比べてちょっとわかりづらかった。
2016年3月12日に実写映画化しています。
【タイムマシン】
タイムマシンで学生時代の自分にアドバイスをしに行くお話。



設定的には過去の行動で未来が変わる、ドラえもんタイプのタイムマシン。
過去の自分にアドバイスをするのだが、現在の自分の過去にアドバイスを受けた体験がなさそうだった。
いわゆる親殺しのタイムパラドックス。
細かいところだが設定が矛盾している。
これなら過去の行動で未来が変わらず複数の世界線ができる、ドラゴンボールタイプのタイムマシンの設定にすればよかったのに。
設定さえ気にならなければ良いお話。
【NOBODY】
手足からマヒが進行していく奇病にかかった男性が、脳死した男性の身体に脳を移植したお話。



自分に当てはめて考えるととても恐ろしくて切ない。
外見や体質が変わったことによる、家族や恋人との関係性。
外見が変わった自分は両親や恋人にとって本当に自分なのだろうか?
逆の立場になって考えてみると、外見が変わった両親は両親と思えないような気がする。
外見と性格が合わさってこその人間なのだから、外見がまるまる他人になっていたら別人だと思う。
自分も他人も傷つけながらももがいて生きていく主人公に好感がもてる。
【説得ゲーム】
ゲーム会社で働く仕事中毒の男性のお話。



人は何のために生きるのか?生きていることに理由はあるのか?
答えを知りながら矛盾に耐える男性と耐えられない女性の対比が良いです。
みんな人生に深く悩みすぎな気がする。
【クバード・シンドローム】
男性が妊娠・出産するお話。



女性の妊娠・出産の大変さが丁寧に描かれている。
男性医師のセリフが心に沁みます。
男性は女性の妊娠・出産を頭や心で理解する気持ちはもちろんあるけれど、実際妊娠・出産するのは女性であって本当に理解はできないと思う。
男性に特に読んでほしいお話です。
中の人のあとがき



現実の世界に似ているけれど「近未来」や「SF」「科学」の少し進んだ世界の話。
「もしも」の世界を舞台にしながら「人間的」なストーリーがとても考えさせられる作品。
やはり戸田先生の作品は「人間」が本質にあるからどの作品もブレずに面白い。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が『説得ゲーム』に興味を持つきっかけになれば幸いです。
作品に興味を持った方は、こちらから電子版を確認してみてください。







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