今回ご紹介する漫画は『雪女幻想』(全2巻/安堂維子里)
本作は、古典的な怪異である「雪女」を現代に置き換え、愛することで老い、愛さなければ生き続けてしまう存在を描いた作品である。
この記事では、雪を主軸に描かれる【みちゆき篇】と、雪女の生い立ちと価値観の分岐を描く【うたかた編】を整理しながら、『雪女幻想』が問いかける「愛と寿命」「選ばれる生き方」について考察していく。
読み終えた後は、この物語が未完成に感じられる理由とそれでも記憶に残ってしまう理由が分かるはずだ。
『雪女幻想』ってどんな漫画?
『雪女幻想』は、日本の怪異「雪女」を現代の恋愛に置き換えて描いた作品である。
相思相愛の相手と結ばれなければ老いることができない雪女・雪と、同じ性質を持ちながら正反対の生き方を選ぶ零。
本作は二人の選択を通して、「愛すること」「共に生きること」の意味を静かに問いかける。
物語は【みちゆき篇】【うたかた編】の二部構成。
説明を省いた展開や余白の多さが特徴で、読み手の解釈に委ねられる部分が多い、考えさせる一作である。
こんな人に読んでほしい
・雪女が好きな人
・人と人外の恋愛が好きな人
・恋愛の修羅場が好きな人
現代に生きる雪女が問いかける「愛と寿命」の物語
現代版「雪女」の物語構造と二つの視点
『雪女幻想』は、古典的な怪異である「雪女」を現代に置き換え、恋愛・寿命・記憶という要素を組み合わせた物語である。
主人公の雪は、働き者で器量が良く、料理も得意な女性として描かれる。
一見すると普通の人間だが、彼女には明確な目的がある。
それは、死ぬまで相思相愛でいられる男性を見つけること。
雪女である雪は、相手の心が離れる兆しを感じ取ると、その場から姿を消す。
そして雪が去ると、男性側には雪と過ごした記憶が残らない。
雪自身もまた、長く同じ場所に留まることができない存在である。
【みちゆき篇】では、雪を主軸に、「愛し合っていたはずの関係が、いつか終わる」という過程が淡々と描かれる。
別れは感情的に盛り上げられることなく、雪女の性質として静かに処理されていく。
一方、【うたかた編】では視点が変わる。
ここでは零という人物を通して、雪女という存在の生い立ちと一族の性質が語られる。
雪と零は、同じ過去を見て育ちながら、まったく異なる生き方を選ぶ。
雪は、母と同じように「誰かと相思相愛になり、老いて死ぬ」道を選ぶ。
零は、父と同じように「誰も愛さず、寿命を持たずに生き続ける」道を選ぶ。
同じ環境を見て、同じ現実を知りながら、
正反対の選択をする二人の対比が、本作の物語構造の核となっている。
『雪女幻想』の見所と引っかかる違和感
本作の最大の見所は、
雪と零が“真逆の生き方”を選ぶ構造そのものにある。
母と父の姿を見た雪と零は、それぞれ「どちらを肯定するか」を選び取る。
雪は母に寄り添い、零は父に寄り添う。
価値観の分岐が、行動として明確に示される点は評価できる。
ただし、その構造が提示された直後に物語が終わってしまう点には、どうしても不完全燃焼感が残る。
特に引っかかる点は以下の通りだ。
まず、明彦が年を取らない理由。
雪女の設定上、他人の温もりを得なければ老いないはずだが、明彦は人間でありながら年齢の変化が曖昧に処理されている。
次に、雪と明彦の間にいつの間にか存在する赤ちゃん。
喫茶店で普通に会話を交わす二人の様子は、【みちゆき篇】で描かれた壮大な別れと噛み合わない印象を受ける。
三点目は、零が人を愛するようになる過程の描写不足。
零は「人を愛さない生き方」を選んだはずだが、その前提が十分に積み重ねられないまま感情が変化してしまう。
最後に、零の事故死の唐突さ。
信号無視、トラック、偶然の連続という展開は、象徴的表現として見るにしても唐突で、読者の感情が追いつかないまま物語が収束してしまう。
設定自体は興味深いだけに、もう一段階、時間をかけた描写があれば印象は大きく変わったはずだ。
それでも残る「雪女」という存在の余韻
不完全燃焼な部分は確かに多い。
それでも『雪女幻想』が記憶に残るのは、雪女という存在の設定が持つ強さにある。
【うたかた編】で示される雪女の一族は、元々体温が低く、年を取らず、寿命で死ぬことがない。
ただし、他人の温もりを得て初めて老いることができる。
つまり、「愛することで死ねる存在」であり「愛さなければ生き続けてしまう存在」でもある。
作中を見る限り、一族に男性はほとんど登場しない。
若い女性ばかりが描かれている点からも、繁栄する種族ではないことがうかがえる。
一方で、成人までは成長している。
これは家族愛による温もりで成長していると考えると、設定としては非常に整合性が取れている。
成長が止まるのは、家族という温もりが失われた後なのだろう。
物語の多くは語られない。
だが、その語られなさこそが、雪女という存在を単なる恋愛怪異ではなく、選択と覚悟の象徴として印象づけている。
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中の人のあとがき
漫画の旅人何か色々と惜しい作品。
設定だけ活かしてスピンオフで様々な男女の恋愛を描けそう。
あと男性はどんなに尽くしてくれて魅力的な女性がいても、一定数浮気をするという全編一貫した裏テーマがあるように思った。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が『雪女幻想』に興味を持つきっかけになれば幸いです。



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