この記事では、『やれたかも委員会』の魅力を3つの視点から丁寧に整理する。
曖昧な夜をテーマにした本作がなぜこれほど多くの読者の共感を集めるのか。
その理由を、物語構造・心理描写・委員会メンバーの役割の3点から深く読み解く。
この記事を読むと、
・本作が「単なる恋愛漫画」として語れない理由
・読者が強く共感してしまう心理の正体
・委員会形式が生む“判断できない物語の面白さ”
・なぜ読み終わったあとに他人の経験ではなく「自分の過去」を考えてしまうのか
が明確になる。
読み始める前よりも、本作の意図と魅力が整理された状態になるはずだ。
『やれたかも委員会』ってどんな漫画?
後から思い返すと胸の奥がざわつく「もしかしたら、あれはいけたのでは?」という曖昧な思い出。
本作は、その“判断しきれない一夜”をテーマにした短編集で、読者から寄せられた体験談を委員会形式で検証していく構成になっている。
主人公は委員会メンバーの3人。
彼らが相談者から語られる出来事を聞き、状況・言葉・相手の態度などを細かく整理しながら「やれた」「やれたとは言えない」を判定する。
ストーリーは一話ごとに独立していて、恋愛感情、後悔、期待、自尊心、思い込みといった人間の弱さが前面に出る作りになっている。
読むほどに「自分も似た経験があるかもしれない」と感じる人も多い。
2018年には実写ドラマ化され、話題を集めた作品。
作品情報
| 作品名 | やれたかも委員会 |
| 作者 | 吉田貴司 |
| 巻数 | 既刊6巻 |
| ジャンル | 日常/ラブコメ/オムニバス/ヒューマンドラマ |
| 掲載誌 | 『ウェブサイト・note』で2016年から連載中 |
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『やれたかも委員会』のおすすめポイント3点
① “語り手の主観”だけで展開される不完全な物語の面白さ
『やれたかも委員会』の核心は、語り手である相談者が「自分の都合の良い形で過去を語っている」点にある。
読者は相談者の言葉しか手がかりがない。だから話は常に偏っている。
本作の面白さは、この“偏った語り”が引き起こす解釈の揺れにある。
相談者は、当時の感情を美化しているかもしれない。
都合の悪い部分を無意識に省いているかもしれない。
相手の気持ちを理解しようとしていない可能性すらある。
しかし、人間の記憶とは本来そういうものだ。
完璧ではなく、感情によって濁る。
その“歪み”を、委員会メンバーが時に厳しく、時に寄り添いながら分析する。
この構造によって、読者は相談者の話をただ受け取るのではなく、
「本当にそうだったのか?」
「相手はどう思っていたのか?」
と、自分なりに考える必要が出てくる。
つまり本作は、読者に「自分自身の判断」を求める物語になっている。
たとえば、とても親しげな雰囲気だったのに最後に踏み込めなかった話。
一見脈アリのように見えても、委員会は「その状況は相手の優しさに乗せられているだけ」と指摘することもある。
この構図が、人間関係の曖昧さ=日常のリアルを強く浮かび上がらせる。
“完璧な答えはない”という前提があるからこそ、読後に自分の過去まで考えさせられてしまう。
他人事のはずなのに、妙に刺さる。
これが本作特有の心地よさでもあり、痛さでもある。
② 委員会3人の「役割」が、人間心理を立体的に掘り下げる
能島、パラディン、月満子の3人は、物語の“判定者”として登場するが、
単なる賑やかしではなく、それぞれが明確な“心理分析の役割”を担っている。
能島は、最も現実的で論理的な視点を持つ人物だ。
相談者の言葉を整理し、事実と感情を冷静に切り離して考える。
彼の意見は、読者の「客観的な視点」を代弁する役割を果たしている。
パラディンは、情に流されやすく、相談者に肩入れしやすい。
思い込みの強さが弱点だが、その分“人を信じたい気持ち”を代弁している。
彼の存在によって、「感情寄りの解釈」が作品内で正当な位置を与えられている。
月満子は、経験と観察力に基づく鋭い視点を持つ。
とくに女性目線での社会的・心理的な分析が際立ち、
男性主体の相談内容に“別角度の光”を当てる役割をしている。
この三者のやり取りは、相談内容そのものより面白い瞬間があるほどだ。
感情と論理がぶつかり、
“その判断は正しいのか?”
“これは本当に恋愛なのか?”
“ただの願望では?”
と視点が何度も揺さぶられる。
この多層的な議論が、
一見軽いテーマである「やれたかもしれない夜」に、驚くほど深い奥行きを与えている。
読者は最終的に、自分がどのメンバーに近いかで“判断の軸”が明確になる。
ここが本作の大きな魅力だ。
③ 「誰にでも起こり得るエピソード」だから刺さる
本作が支持を得た最大の理由は、“物語が特別な人の話ではない”ことだ。
どのエピソードも、一般人が普通に経験しそうな出来事ばかり。
だから読者の記憶に刺さりやすく、感情が引き寄せられやすい。
・相手の好意を誤解した
・勢いがあれば踏み込めたのではと思ってしまう
・後になって「あれは何だったのか」と考え続けてしまう
こうした曖昧で未整理な記憶は、多くの人が持っている。
本作は、それを“笑いと痛み”の中間の絶妙な温度で描く。
また、相談者の多くは自分の判断を肯定してほしい気持ちが強い。
これは現実の人間にも共通する心理で、読者は自分の“過去の判断”を照らし合わせながら読むことになる。
つまり本作は、「他人の体験談を読む漫画」ではなく、「自分の記憶を再判断する漫画」として機能する。
読み終えた後、ふと自分の過去を思い返してしまう。
これこそが本作の本質的な魅力であり、多くの人に支持された理由である。
中の人のあとがき
漫画の旅人『いやらしいことばかり考えているけれど、いやらしいことばかり考えているとは絶対に思われるわけにはいかない』
やれたかやれなかったか。
男女の永遠のテーマを主軸にしていて、ストーリーもリアリティがあり『ぬぁぁぁぁぁ』ってなる。
友達同士の会話の内容がテーマになった感じ。
男女の数だけやれなかったストーリーがある。
これはやれたろ!と思う話も多いですが共感できない話もある。
2018年には実写ドラマ化もしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が『やれたかも委員会』に興味を持つきっかけになれば幸いです。


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