幼なじみへの手紙のようなノスタルジー『岡崎に捧ぐ』が描く“平成の記憶”と友情のかたち

この記事を読むと、『岡崎に捧ぐ』がどんな作品なのか、作者・山本さほ先生が描く“実体験をもとにした友情のリアル”がわかります。
読むたびに懐かしさと切なさが込み上げる本作の魅力を、3つの視点から紹介します。

『岡崎に捧ぐ』ってどんな漫画？

『岡崎に捧ぐ』は、漫画家・山本さほ先生が自身の幼少期からの友情を描いたエッセイ的青春漫画です。
小学生の頃に出会った親友・岡崎さんとの時間、ゲームや放課後、家族との日常。
笑いながらも、少し胸が締めつけられるようなリアルな描写が特徴です。

舞台は1990年代。スーパーファミコンやたまごっち、駄菓子屋──
誰もが一度は通り過ぎた“あの頃の空気”をそのまま閉じ込めた作品です。

そしてこの物語は、単なる思い出ではなく、「時が経っても消えない人とのつながり」を丁寧に描き出しています。

作品情報

作品名	岡崎に捧ぐ
作者	山本さほ
巻数	全5巻
ジャンル	日常/エッセイ/親友/母/人生
掲載誌	ビッグコミックスペリオール
連載期間	2015年3号から2018年18号

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『岡崎に捧ぐ』を読む

💡『岡崎に捧ぐ』の見どころ3選

① 懐かしさが痛いほど沁みる——“平成の匂い”そのままの世界観

ゲームボーイ、スーファミ、プレステ、そして放課後の駄菓子屋。
当時の空気をまるごとパッケージしたような描写が圧倒的。
特別なことは起きないのに、ページをめくるたびに心がきゅっとなる。

「そうそう、こういう子いたな」「あの頃の自分、こんな気持ちだった」
そんな“共通記憶”を刺激するリアリティが本作の大きな魅力です。

懐かしさだけではなく、そこにある“失われていく時間の寂しさ”まで描き切っているからこそ、大人になってから読むとより深く響きます。

② 岡崎さんという存在——友情を超えた“絆”の描き方

岡崎さんは、ただの親友ではなく、山本先生の人生そのものを映す鏡のような存在。
性格も環境も違う二人が、互いに影響を与えながら少しずつ大人になっていく。

喧嘩して距離ができる時期もあるけれど、それでも“相手の幸せを願える関係”として描かれているのが印象的です。

「友達って、いつの間にか“会えなくても支えになる存在”になるんだ」
そんな気づきを与えてくれる、等身大の友情物語です。

③ 作者自身の人生を描いた“ノンフィクション漫画”の強み

『岡崎に捧ぐ』のすごさは、“創作じゃないリアル”にあります。
作者・山本さほ先生自身が体験したエピソードが元になっており、登場する出来事のほとんどに実在のモデルがいます。

だからこそ、笑える場面の奥にある切実さが本物。
「友達がいるって、当たり前じゃなかったんだ」と気づかせてくれます。

エッセイ漫画という形式を超えて、読者の人生の節目にそっと寄り添うような作品です。

【岡崎に捧ぐ】の主な登場人物

・山本さほ
作者本人。物語の主人公。テレビゲームが大好きで岡崎さんちに入り浸る。

・岡崎さん
山本にとってクラスで仲良くなりたい人最下位。しかしすぐに親友になる。山本さんのことが大好き。

まとめ

『岡崎に捧ぐ』を読む

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