漫画【美味しんぼ】7巻 全話レビュー「国際目玉焼き会議」

長年愛され続ける名作『美味しんぼ』

『美味しんぼ』全巻レビューシリーズでは、各巻のエピソードを一話ずつ丁寧に読み解き、食・人間・社会をテーマに描かれた物語を深く掘り下げます。

この記事では、その中から【第7巻】に収録されたエピソードをレビュー形式で解説します。

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【美味しんぼ】7巻 各話あらすじ&レビュー

【美味しんぼ】7巻のおすすめポイント

・論破される海原雄山
・既存キャラの掘り下げ

【美味しんぼ】7巻 各話レビュー

7巻1話【大地の赤】

唐山陶人の窯出しに招待された、山岡と栗田。
唐山陶人は友人に頼まれて、トマトの赤のような器を作っているが満足の行く器ができない。

山岡「まるで昔の柿右衛門みたいだね、陶人の名を変えてトマト人かなんかにしたら？」

おちょくった山岡に怒り、追いかけ回し転んで足を骨折した唐山陶人。

後日病院へお見舞いに行くが、海原雄山と鉢合わせする。
海原雄山は唐山陶人がトマトの赤の器を作っていると聞いて、昔ながらの有機栽培で作ったトマトを持ってきた。

だが唐山陶人は「自分の知っているトマトの熟した赤とは違う」という。

山岡「これは熟しているのは見てくれだ、本当の意味での完熟トマトじゃない」

それを聞いて激高する海原雄山。
海原雄山は「完熟トマトが採れるところに案内しろ」という。

山岡「それでは一週間後にみんなをトマト畑に案内しよう」

7巻2話【氷菓と恋】

送別会の帰りに六本木に来た、山岡、栗田、花村、スケバン田畑。
行列のできるアイスクリーム屋があって並ぼうとするが、列の先頭で揉め事を起こす人物がいる。
揉め事を起こす人物は中松警部だった。
声をかける山岡と栗田だが、中松警部はバツが悪そうにその場を走り去っていく。

後日中松警部に事情を聞くと、生まれて始めて惚れた女性がアイスクリーム屋をやっている。
だがそのアイスクリーム屋は全く繁盛しておらず、繁盛しているアイスクリーム屋の味の秘密を聞くために騒ぎになってしまったそうだ。

中松警部は、山岡と栗田を繁盛していないアイスクリーム屋に連れて行くが…

7巻3話【茶人といちご】

京都の老舗のテナントが入った「ニューギンザデパート」に遊びに行く、山岡、栗田、花村、スケバン田畑。
ニューギンザデパートの板山社長と共に、各店舗を見て回る山岡達。

舞妓さんがお茶を点てて和菓子を楽しめる店に行くが、作法を知らない板山社長が恥をかいてしまう。
そこで作法を習おうと山岡達を誘って、有名な茶道の師範のもとに行く。
だが師範は食器の値段の高さを自慢したり、作法を知ってることを鼻にかける態度を取ってくる。

山岡「あんたは茶の心を理解していない、千利休の言葉を読み返して見るんだな。」
山岡「あんたには茶を人に教える資格はないよ」

7巻4話【手先の美】

東西新聞社に、プロカメラマンの荒川が取材に来た。
仕事中の姿を撮影するが、荒川はスケバン田畑の写真を撮った後様子がおかしくなる。
そして顔を赤くしながら自分の写真展のチケットを渡す。

写真展に来た、山岡・栗田・花村・スケバン田畑。
写真展には料理人の写真のコーナーがあり、理由を聞くと荒川は「料理人が料理を作る瞬間が美しい」という。

だが寿司職人が寿司を握る写真を撮らせてもらったところ、美しさを感じず味まで美味しさを感じなくなる。

そこで山岡達と原因を調べに有名な寿司屋に行くが…

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7巻5話【大豆とにがり】

カメラマンの荒川にチケットを貰って落語を見に来た、山岡、栗田、スケバン田畑、谷村。
荒川は落語家の八笑師匠と仲が良く、食事に行くので皆を招待する。

豆腐料理屋についた一行。
だがあんかけ豆腐の味がいまいちで、カウンターでは店主と外国人が喧嘩をしている。

ブラック「これはトウフじゃない!!」

喧嘩の仲裁に入る一行だが、山岡達も豆腐の味には納得しておらずブラックの肩を持つ。
ブラックの職業は料理研究家で、豆腐についての本を執筆したこともある。
日本で本物の豆腐を味わおうと日本の名店に来るが、豆腐が本物ではなく喧嘩してしまった。

そこで山岡は全員を連れて豆腐店に向かうが…

7巻6話【天然の魚】

富井副部長の提案で千葉に釣りに行く、山岡、栗田、花村、スケバン田畑、谷村、富井。
車内には自称釣り名人がいて、素人の富井達を小バカにしてくる。
自称釣り名人と宿も同じで釣りをする船も同じ。
さらに夕食を食べに行った磯料理屋でも遭遇してしまう。
そして磯料理屋でも小バカにしてくる自称釣り名人に山岡が一言。

山岡「放っとけばいいさ。魚のことなんか何もわからん山猿どもが、馬鹿騒ぎしてるだけだから。」
山岡「明日同じ船に乗るらしいな、丁度いい。口で言ってもわからないだろうから、実際にあんた達のとろさを目で見せてやるよ。」

そして「明日の釣りで自称釣り名人のとろさを見せてやる」と豪語するが…

7巻7話【黄身と白身】

快楽亭ブラックが、フライドエッグ(目玉焼き)について、東西新聞社の文化部に相談に来る。
サニイサイドアップ(片面焼き)とターンオーバー(両面焼き)を日本語でどう呼ぶか。
なぜそんな質問をするのかと言うと、ブラックはIFEC(国際目玉焼き会議)の議員で日本におけるサニイサイドアップ(片面焼き)とターンオーバー(両面焼き)の現状を報告しなくてはならないからだ。

それを聞いた文化部一同は、自分のこだわりの目玉焼きについて語りだす。
収集がつかなくなってきたので、山岡達もIFEC(国際目玉焼き会議)に参加するが…

7巻8話【ボクサーの苦しみ〈前編〉】

スケバン田畑に結婚の申込みをしたいが、踏ん切りがつかずに山岡達に相談する荒川。
荒川は「田畑とボクシングの世界戦を見に行く」というので、山岡は「日本人の現チャンピオン・勝村が勝ったら結婚を申し込めばいい」とアドバイスをする。

だが勝村は優勢な試合状況の中、カウンターの一撃で沈む。
キッカケを失った荒川。

山岡達は、スケバン田畑に荒川の気持ちを伝える。
それを聞いたスケバン田畑は「荒川が次のチャンピオン候補と言っていた沢矢がチャンピオンになったら、申し込みを受ける」という。

荒川と山岡達は沢矢の様子を見にボクシングジムに行くが…

7巻8話【ボクサーの苦しみ〈後編〉】

前回からの連続エピソード。

減量に苦しむ沢矢に「豪華絢爛でぜいたくで美味しくて肥らない料理」を頼まれた山岡。
条件は厳しく、さすがの山岡も頭を悩ませる。
荒川と田畑のために一生懸命アイデアを出す栗田と花村。
面倒くさくなってきた山岡の一言。

山岡「結婚したからって必ずしも幸福になれると限っちゃいないだろ。それにあんな頑固なオールドミス」

陰口を聞かれていた山岡は、慌てて岡星に避難する。
岡星の提案した料理は減量料理の条件にあっているが、いまいちピンとこない山岡。

そんな中、小泉局長が究極のメニューの進展がないので、叱咤激励を込めてフランス料理をご馳走してくれる。

そこで小泉局長が頼んだ特別な野菜の料理を食べて、山岡は減量料理を思い付き…

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なお『美味しんぼ』は、漫画だけでなくテレビアニメとしても映像化されている。
料理そのものの描写だけでなく、山岡士郎と海原雄山の対立、仕事・家族・価値観の衝突といった人間ドラマが、アニメではより直感的に伝わってくる。

原作のエピソードを忠実に再構成しつつ、テンポよくまとめられているため、
「どの話から見ても成立する」のがアニメ版の強みだ。
漫画をすでに読んでいる人ほど、セリフの間や表情のニュアンスに気づかされる場面も多い。

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まとめ

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