【美味しんぼ】31巻全話レビュー「モテ男山岡」

2020年9月1日2025年12月20日

長年愛され続ける名作『美味しんぼ』

『美味しんぼ』全巻レビューシリーズでは、各巻のエピソードを一話ずつ丁寧に読み解き、食・人間・社会をテーマに描かれた物語を深く掘り下げます。

この記事では、その中から【第31巻】に収録されたエピソードを解説します。

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【美味しんぼ】31巻各話あらすじ&レビュー

【美味しんぼ】31巻のおすすめポイント

・山岡の婚約者の存在

【美味しんぼ】31巻各話レビュー

31巻1話【能あるホヤ】

「東西新聞社」に、山岡の婚約者、湯村真子が訪ねてくる。
唖然とする栗田と荒川夫人だが、真子は山岡の大学の先輩の妹で、真子が中学生の時に「お嫁にして」と言ったら「いいよ」と答えたという。
まんざらでもない山岡だが、栗田も誘って「岡星」へ行く。

「東西新聞社」の入り口には、真子の運転手をしている野中敬一がいて、四人で「岡星」で食事をする。
アルバイトばかりで夏を楽しめなかった真子。
そんな真子のために野中の地元の宮城県唐桑に遊びに行く。

そこで真子は野中の知らない面を次々と発見して…

漫画の旅人

山岡のモテエピソード。
エピソード料理
「ホヤ料理」

31巻2話【良いナス、悪いナス】

ナスが苦手な富井の息子のヒトシと中松警部。

そんな二人のために、ナス料理を振る舞う山岡。

岡星もナス料理を披露して、すっかりナスの美味しさにハマるヒトシと中松警部。

漫画の旅人

中松警部が久々の登場。
富井の家庭事情が少し描かれる。富井の嫁の顔を見てみたい。
エピソード料理
「ナス料理」

31巻3話【お祖父ちゃんのおモチ】

街を歩く山岡と栗田。
道でカバンを持った子供達に会う。
事情を聞くとカバンの中には大金が入っており、警察に一緒に届けに行く。

だがカバンの持ち主と思われる男性が現れて、子供達からカバンを奪っていく。
山岡は「そのバッグは子供達が見つけたもので、証拠を警察で見せないとバッグは渡せない」という。
一緒に警察に向かうが、男性は本当にバッグの持ち主で総額三千万円相当が入っていた。

男性の名前は金森銀三郎。
何も言わずお礼もしない金森に、山岡は「子供達にお礼をしろ」というが、金森は「置き忘れた現場に直ちに戻ってきて子供達とここに来ただけ」と主張する。
さらに「場合によっては盗みの現行犯で訴える」と言ってくる。

そんな態度に腹を立てて「新聞記者として落とし前を必ずつけさせる」という山岡。

金森は帰り際に子供達に名前を確認する。
子供達の名前は金森道夫と幸子。

後日、「東西新聞社」に来た金森だが…

漫画の旅人

山岡の正義感が見所。
エピソード料理
「モチ料理」

31巻4話【死出の料理】

「ニューギンザデパート」の板山社長から、新年会に招かれた山岡と栗田。

周大人も新年会に来ており、楽しく美味しい時間を過ごそうとするが、日亜生命保険の猪谷社長が、新年早々暗い話題を振りまいて周囲の空気を悪くする。

その様子を見ていた周大人は「考えがある」といい、翌日新年会のやり直しをするが…

漫画の旅人

空気を悪くする人間。
本人は面白いと思っているかもしれないが周囲の人間はただただ不快。
エピソード料理
「鶏の頭」
「仔羊の頭の丸焼き」
「仔牛の頭の丸焼き」

31巻5話【究極VS至高鍋対決!!〈1〉】

団社長の主催する新年会に参加した、究極のメニューと至高のメニュー関係者。

次回の究極のメニューと至高のメニューの題材を団社長に決めてもらう。
団社長が提案した題材は「鍋料理」

海原雄山も山岡も異存はなく、「究極のメニュー」と「至高のメニュー」の第17弾の対決は、「鍋料理」に決定する。
だが鍋料理は地方ごとの郷土自慢になっているものが多く、誰もが納得できる鍋料理は難しい。

「岡星」で試作品の鍋料理を京極に食べてもらうが…

漫画の旅人

次回へ続く。
エピソード料理
「ホワイトソースの鍋」

31巻5話【究極VS至高鍋対決!!〈2〉】

前回からの連続エピソード。

ホワイトソースの鍋を食べた京極は、「この鍋料理では海原雄山に勝てない」と言い切る。

根拠を話そうとするが、天下の奇人で稀代の茶人と言われる丿貫が、水をもらいに「岡星」にやってくる。

鍋の説明どころじゃなくなった京極は、丿貫がどこに行くのか後を追うが…

漫画の旅人

次回へ続く。

丿貫が気になる方はこちら👇
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31巻5話【究極VS至高鍋対決!!〈3〉】

前回からの連続エピソード。

丿貫の家でお茶を御馳走になった山岡と栗田。
丿貫のもてなしの心が鍋料理のヒントとなる。

そんな中、団社長は次の「至高のメニュー」との対決で負けた場合、自分と山口県にフグを食べに行こうと栗田に提案する。
負けた場合は、団社長と山口に行くことを決心した栗田。

特別審査員に丿貫を招いて、究極のメニューと至高のメニューの対決が始まるが…

漫画の旅人

次回へ続く。

31巻5話【究極VS至高鍋対決!!〈4〉】

前回からの連続エピソード。

様々な材料、タレ、薬味を用意して個人ごとに好きに食べさせる「万鍋」
大事なのは「もてなしの心」

決まったやり方も作法も押し付けない。
心の隅々までくつろいでもらえる自然体。
これが「究極のメニュー」の鍋料理の真髄。

この「もてなしの心を丿貫に教わった」という山岡達だが、キョトンとする丿貫。

海原雄山「これがもてなしの心とは笑止千万！究極の鍋料理やぶれたり！」

そして海原雄山は至高の五代鍋を用意して…

漫画の旅人

次回へ続く。
エピソード料理
究極のメニュー
「万鍋」

31巻5話【究極VS至高鍋対決!!〈5〉】

至高の五代鍋は、「鍋の位付とは全くの無関係の五つ全てが至高」という海原雄山。

至高の五代鍋その一・スッポン鍋
至高の五代鍋その二・フグチリ
至高の五代鍋その三・アワビのシャブシャブ
至高の五代鍋その四・ハモとマツタケの鍋
至高の五代鍋その五・カニ鍋

そして海原雄山は「アワビのシャブシャブは山岡と栗田の確立した料理で、岡星の弟で「美食倶楽部」で働く良三から聞いた」という。

ハモとマツタケの鍋も、山岡と栗田は「京味」の主人、西から作り方を教えてもらっている。
カニ鍋も西が作り方を山岡と栗田に教えようとしたが、二人は断った。
その気になれば至高の五代鍋は「究極のメニュー」側も出せた。

だが海原雄山は、「究極のメニュー」側は根本的に考え方が間違っていると指摘する。

・鍋料理は誰にでも応用可能で受け入れやすいもの作らねばばいけないという考え方
・もてなしの心を勘違いして、こだわりのなさどころか、別の考えにこだわりすぎて、濁ったもてなしの心になったこと

丿貫も「シンプルな海原雄山の鍋の方が好きだ」という。

完全敗北した究極のメニュー。

栗田は団社長との約束を思い出して…

漫画の旅人

材料の値段に心を奪われる。
高価な物、安価な物。
傍から見れば立ち位置は違っても、大きな括りではどちらもお金にとらわれている状態。
物事の考え方としてはとても大事。
エピソード料理
至高のメニュー
「スッポン鍋」
「フグチリ」
「アワビのシャブシャブ」
「ハモとマツタケの鍋」
「カニ鍋」