本作は、よしづきくみちのキーワードとも言える「儚さ・恋心・ファンタジー・女の子の視線 」が丁寧に編み込まれた短編集。
作品ごとにテーマも世界観も異なるが、どれも読後に静かに余韻が残り、「短編だからこそ描ける感情の瞬間」を捉えた構成になっている。
可愛さと切なさが同居する不思議な読後感は、作者の世界観に触れたい読者に最適。
『恋する凡人と六魔法 〜よしづきくみち短編集〜』ってどんな漫画?
『 魔法遣いに大切なこと』の作者、よしづきくみち先生の3冊目の短編集です。
以下の作品が収録されています。
『清潔な彼女』
2015年8月 同人誌掲載。
魔女っ娘と魔女っ娘好きの男のお話。
『白い道~Chemin blanc~』
ヤングキング 2009年22号掲載。
高校生の恋愛のお話。
『チェーンおブザワーるド』
季刊GELATIN 2009年9月掲載。
地球に限りなく似た惑星の出来事。
極めて近く限りなく遠い世界のお話。
『交換』
2010年12月 同人誌掲載。
頭と頭をぶつけると身体が交換するお話。
軽いチャリオッツレクイエム状態。
『Imaginary Line』
2008年12月 同人誌掲載。
高校生の恋愛のお話。
『ラジオたいそう第一』
2014年5月 同人誌掲載。
ラジオ体操をするJKのお話。
『ラジオたいそう第二』
2014年5月 同人誌掲載。
ラジオ体操をするJKのお話、其の二。
また作品が終わるごとに、よしづ先生自身から作品解説があります。
作品情報
| 作品名 | 恋する凡人と六魔法 〜よしづきくみち短編集〜 |
| 作者 | よしづきくみち |
| 巻数 | 全1巻 |
| ジャンル | ファンタジー/日常/魔女っ子/バイク/極めて近く限りなく遠い世界/交換/ラジオ体操 |
| 発売年 | 2017年 |

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『恋する凡人と六魔法 〜よしづきくみち短編集〜』のおすすめポイント3点
① 丁寧で可憐な「女の子の絵」が感情の揺らぎを可視化する
よしづきくみち先生の作品は、まず絵そのものが大きな魅力である。
線は細く、キャラクターの輪郭も柔らかく抑えられ、画面全体に漂う空気感は穏やかだ。
特に女の子の表情描写は精密で、視線の向き、口元のわずかな角度、頬の影の入り方など、感情の揺れを細部で表現している。
喜びや戸惑いといった強調された感情ではなく、寄せては返すさざ波のような心理が画面から自然に伝わってくる点が特徴である。
短編集という形式は、この繊細な絵柄と相性が良い。
一つひとつの作品に時間的制約があるため、キャラクターを記号的に処理しがちだが、よしづき先生は「短い話の中でどれだけ人となりを表現できるか」を絵の力で補っている。
キャラクターが話す言葉より先に、表情から読者が心理を受け取る構造になっているため、感情移入が早い。
これは短編の没入速度を高める重要な要素である。
また、女の子の描かれ方は可愛らしさに寄せながらも、性的な方向性には傾けず、純粋に「人として魅力的に生きている姿」が中心に置かれている。
登場人物を美化しすぎず、かといって生々しさにも寄らない絶妙な距離感は、作者の基本思想に基づくものだろう。
そのため、どの作品も読者に強い負荷をかけることなく、自然な視線で読み続けることができる。
加えて、空間描写も丁寧である。背景は描き込みすぎず余白を残し、キャラクターの存在を際立たせている。
この余白が心地よく、短いページの中に「考える時間」を提供しているように感じられる。
読者が自分の感情を重ねる余白として機能している点は、短編集全体の印象を深めている。
短編の制約を逆手に取り、「瞬間を切り取る絵」で物語の密度を高めている点は、本作を語るうえで欠かせない魅力である。
② 「恋・痛み・不思議」の三層構造で読者の感情が揺れ続ける
本短編集の中心にあるのは、恋愛、痛み、すこし不思議な出来事という三つの軸である。
どの物語も単純に「恋の話」では終わらず、そこに小さな苦味や違和感、後味の切なさが付随する。
よしづき先生、恋を中心に据えつつも人間関係の複雑さを決して避けない。
分かり合えない感情、届かない思い、選ぶことのできない道など、現実的な痛みが必ず物語に織り込まれている。
この「小さな痛み」の扱いが非常に巧みである。
大きな事件を起こしたり、劇的な展開で読者を驚かせたりすることはせず、日常の延長線で発生する違和感に焦点を当てる。
そのため、読者は強制的に感情を揺らされるのではなく、気づいた瞬間に胸の奥が静かに締め付けられる感覚を味わうことになる。
短編という制約の中で痛みを過剰に説明しない姿勢は、作家としての自律した技術に基づくものだと考えられる。
さらに、「不思議さ」の扱いも魅力的である。
魔法、異世界、ルールの曖昧な設定といった非日常要素が作品によって用いられるが、それは物語の核というより、登場人物の内面を浮き上がらせる補助線として機能する。
設定の説明に時間を割かず、感情の輪郭を強調する道具として使われている点が、他のファンタジー短編とは異なる特性である。
恋・痛み・不思議。
この三層が重なり合うことで、読者は物語の結末より「感情そのもの」を受け取る。
短編集でありながら統一した読後感が生まれる理由は、この感情構造の一貫性にある。
③ 日常と異世界の“境界の曖昧さ”が作品の余韻を生む
よしづき作品の特徴として、「日常をベースにしつつ、異世界的な価値観が静かに混ざり込む構造」が挙げられる。
本作も同様で、どの作品も明確に異世界を示すわけではないが、現実には存在しない空気が物語の端々に漂う。
その“曖昧さ”が読後に特有の余韻を残す。
例えば、魔法の存在や不思議な体験は説明されず、理由も提示されないことが多い。
しかし、その曖昧さは不親切さではなく、物語世界への自然な溶け込みとして機能している。
日常のなかに僅かなズレが生じ、そのズレを物語の核に据えることで、読者の想像が静かに広がっていく構造になっている。
また、異世界的要素は物語の“解決”として使われるのではなく、むしろ“感情の強調”として利用されている。
登場人物の抱える問題や感情を、現実的な枠組みだけでは描ききれない場合に、その補助線としてファンタジーが挿入されているように読める。
このため、物語は夢物語に逃げ込むことなく、あくまで現実の感情に根ざした形で成立している。
さらに、短編集という形式がこの曖昧さを支えている。
長編では説明不足となる点も、短編では“余白”として肯定的に受け入れられやすい。
読者に委ねられた解釈の余地が、作品の密度と深みを増している。
日常と非日常の境界が曖昧だからこそ、読者は「どこまでが現実で、どこからが物語なのか」を自然に問いかけることになる。
この問いは答えを必要とせず、むしろ作品を読み終えたあとに心地よい余韻として残り続ける。
本短編集の魅力は、この曖昧さに支えられた豊かな読後体験にある。
中の人のあとがき
漫画の旅人よしづき先生の特徴でもある、可愛い女子、ファンタジーワールド、甘酸っぱい恋心が散りばめられています。
個人的に好きな作品は『ラジオたいそう第一』と『ラジオたいそう第二』
ラジオ体操をするJKを眺めるという独特の視線。
うむ。新たなる世界が開きますね。
DIOの止まった時の世界に入門した承太郎状態。
うむ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
残念がら、2022年2月時点で『恋する凡人と六魔法 〜よしづきくみち短編集〜』電子書籍版は未発売です。
紙の書籍になりますがぜひお楽しみください。
この記事が『恋する凡人と六魔法 〜よしづきくみち短編集〜』に興味を持つきっかけになれば幸いです。


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