今日ご紹介する漫画は『ルサンチマン』
この記事では、漫画『ルサンチマン』が描いた「仮想現実に逃げた30歳男性が、なぜ救われきらなかったのか」
そして「それでも人生が終わらない理由」を読み解いていく。
VR×MMOという先鋭的な設定の裏にあるのは、夢や癒しではなく、現実と地続きの欲望、課金構造、自己嫌悪だ。
若い頃に読んだ印象と、大人になってから読み返したときの感触が、ここまで変わる作品は多くない。
本作が「名作」なのか、それとも「時代を先取りしすぎた問題作」なのか。
その判断材料がわかる構成になっている。
『ルサンチマン』ってどんな漫画?
『ルサンチマン』は、花沢健吾によるSF×恋愛×仮想現実漫画で、30歳・低スペック男性がVR世界で人生の再スタートを試みる物語だ。
舞台となるのは、VRとMMOを組み合わせた仮想現実世界「アンリアル」
現実世界で居場所を失った主人公・たくろーは、この世界で疑似的な青春と承認を得ようとする。
しかしアンリアルは、
・キャラクター
・家
・服
・イベント
すべてが課金制という、極めて現実的で残酷な構造を持つ。
仮想現実は逃げ場ではなく、現実の欲望と弱さをさらに増幅させる装置として機能していく。
本作は、
「仮想現実で人生をやり直す話」ではない。
「逃げた先でも、結局は自分と向き合わされる話」だ。
| 作品名 | ルサンチマン |
| 作者 | 花沢健吾 |
| 巻数 | 全4巻 |
| ジャンル | SF/日常/恋愛/非モテ/MMO |
| 掲載誌 | ビッグコミックスピリッツ(2004年3号から2005年12号) |
仮想現実に逃げた男が直面する「現実」と「自己嫌悪」
低スペックな30歳主人公が仮想世界に求めた「もう一つの人生」
主人公・たくろーは30歳。
ブサイク、ハゲ、デブ、素人童貞、卑屈。人生の一区切りと言われる年齢で、かなり厳しい立ち位置に置かれている。
連載当時、自分が若い読者だった頃は、たくろーを「少し冴えない主人公」くらいの距離感で読めた。
しかし年齢を重ねて読み直すと、笑えない。むしろ苦しい。
たくろーより年上になってしまった今読むと、彼の思考や選択が現実味を帯びすぎて刺さる。
花沢健吾作品の主人公は、見た目やスペックは低いが、内側にだけ少年漫画的な熱を残していることが多い。
たくろーも同じだ。
諦め、卑屈さ、自己嫌悪にまみれながらも、心のどこかで「人生をやり直したい」と本気で思っている。
その受け皿として用意されるのが、VR×MMOの仮想世界「アンリアル」
2004年連載とは思えないほど先鋭的な設定で、ストーリー内の年代は2015年。
だが2019年現在でも、ここまで露骨な構造のギャルゲー的仮想世界は現実に存在しない。
女の子、家、服、イベント。
すべてが課金制というのが生々しい。
現実でも仮想でも金がかかる。
夢を見るにもコストが必要で、逃げ場はどこにもない。
それでもたくろーはアンリアルに入り、そこでしか得られない承認と疑似的な青春を手に入れようとする。
この時点で、すでに救済よりも「現実の延長」が始まっている。
仮想現実でも金がかかる──「救済」に見せかけた残酷な世界
アンリアルは一見すると、現実に居場所のない男を救うための世界に見える。
しかし実態は違う。そこは「現実以上に残酷な構造」を持った仮想現実だ。
重課金を前提とした設計。
何重にも仕掛けられるイベント。
女性キャラ同士の嫉妬や競争。
逃げ場として用意された世界が、最も効率よく搾取する装置になっている。
現実世界で彼女ができず、仮想世界に希望を求めた男が、仮想世界でも金と感情を奪われる。
この皮肉はかなり強烈だ。
特に印象的なのが、アンリアル内の女性キャラが見せる嫉妬や束縛だ。
救済装置であるはずの仮想世界が、現実と同じ、いやそれ以上に人間関係の地獄を再生産している。
たくろーは逃げたつもりで、結局同じ構造の檻に入っている。
それどころか、現実よりも逃げにくい場所に自ら足を踏み入れている。
そしてこの作品が容赦ないのは、
「それでも男は課金してしまう」
という事実を一切ごまかさない点だ。
夢を見ること。
好かれること。
選ばれること。
それらがすべて金額に換算される世界。
ルサンチマンは、仮想現実を使って、人間の弱さと欲望を極端な形で可視化している。
それでも人生は終わらない─『ルサンチマン』が描いた再スタートの形
ストーリー終盤、アンリアルの製作者・神崎が意味深に登場し、比較的あっさり退場する点には物足りなさもある。
その後に現れるラスボスも唐突で、構成としては粗さが残る。
正直、神崎を最終的な対立軸に据えた方が、物語はより締まったかもしれない。
それでも、本作はきちんと「終わらせた」。
ここが花沢健吾先生の凄さだ。
最終話のラストページと、第1話のラストページが静かにつながる構成。
派手なカタルシスはない。
だが、確実に「一周して前に進んだ」ことが示される。
たくろーは劇的に救われない。
ヒーローにもならない。
人生が好転したとも言い切れない。
それでも、終わらない。
やり直しはできなくても、続いていく。
『ルサンチマン』は、
「仮想現実で人生をリセットする物語」ではない。
「逃げた先でも現実と向き合わされる物語」だ。
そしてその現実は残酷だが、完全な絶望では終わらない。
その中途半端さ、苦さ、後味の悪さこそが、この作品の誠実さでもある。
作品に興味を持った方は、こちらから電子版を確認してみてください。
すでにAmazonを利用している方は、Kindleですぐに読むこともできます。
中の人のあとがき
漫画の旅人・キャラクターについて
30歳。ブサイク、ハゲ、デブ、素人童貞、卑屈。
人生の一つの区切りと言われる30歳で中々のロースペック。
当時リアルタイムで読んでいた自分は、普通にストーリーを楽しんでいた。
しかし今読み直してみると、たくろーよりおじさんになってしまった自分がいる。
大学生だった当時より多少人生経験も積み、ある程度世の中の仕組みがわかってきた今読むとただただ苦しい。
悲しみ、切なさ、諦め、色々な感情が渦巻く不思議な作品。
花沢先生の描く主人公は、パッと見のスペックは低い主人公が多く、いまいち煮え切らない。
ただ奥底では少年漫画のヒーローの様に熱い心を持っている。
大人になるにつれて無くなっていく気持ち。
たくろーにはそれがあった。
・設定について
2004年に連載された作品とは思えない設定。
VRとMMOを組み合わせた、まさに仮想現実。
ストーリー内の時間設定では2015年だが、2019年現在でもここまでのギャルゲーは生まれていない。
女の子。家。服。
全てが課金制なところが現実的。
ルサンチマンの連載時に課金制という言葉はあったっけ?
現実でも仮想でも金がかかる。
男ってやつは悲しい生き物だ。
ちゃんとアンリアルの合間に仕事に行っているところが現実的。
学校内でのイベントがかなり悪質で笑った。
・灰色の青春
・モテない男
・何重にもわたる罠を仕掛けての重課金
アンリアルの女性の嫉妬。
現実世界で彼女が出来なくてアンリアルに手を出したのに皮肉がきいている。
・ストーリーについて
アンリアルの製作者、神崎が意味深に出てきて普通に退場したのが残念。
その後出てきたラスボス。
正体が猿だったのに意外性があったが、こちらも唐突に出てきた感が否めない。
ラスボスは神崎に据えたまま展開した方が、ストーリーとしては上手く纏まったんじゃないかと思う。
それでも綺麗に完結したのは花沢先生の素晴らしさ。
最終話のラストページのセリフと第一話のラストページのリンク具合が最高です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が『ルサンチマン』に興味を持つきっかけになれば幸いです。





電子書籍は以下のサイトならお得に楽しめます!
📚 DMMブックス・U-NEXT・まんが王国・BOOK☆WALKER等。
初回特典やキャンペーンを使えば、気になる漫画をお得に楽しめます✨
気になったサービスでぜひチェックしてみてください!
「それではまた次の“漫画の旅”でお会いしましょう📚✨」
各ストアで電子書籍がお得に読めるクーポン配布中!
以下の電子書籍ストアの初回限定特典で漫画がお得に読めます。
※ただし電子書籍ストアは時期によって割引やキャンペーンが変わるため、「今一番お得なサービス」を選んで読むのがおすすめです!
▶DMMブックス
(初回購入限定70%OFFクーポンがお得!)
▶U-NEXT<ユーネクスト>
(無料トライアルで600円分のポイントもらえる!)
▶BOOK☆WALKER
(初回購入限定!購入金額の50%コイン還元!)
▶まんが王国
(毎日最大ポイント50%還元!)
▶ブックライブ
(新規会員限定70%OFFクーポンがお得!)
▶コミック.jp 1000コース
(お試し期間中に1200円分のポイントもらえる!)
▶Amebaマンガ
(全マンガ100冊50%ポイント還元!)
※クーポン内容等は予告なく変更・終了する場合がございます。最新の情報は各公式サイトでご確認をお願いいたします。
📖 まだ電子書籍サービスを決めていない方はこちらの記事をどうぞ。
👉【電子書籍の購入はどこがいい?おすすめ電子書籍サービス6選!】
