【D・N・A²】桂正和が挑んだ“恋とバトルの融合”|ジャンプ黄金期の異色作を考察

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「恋は、遺伝子を書き換えるのか?」
――そんな突飛な問いから始まる、桂正和先生のSFラブコメ『D・N・A²(ディー・エヌ・エーツー)』。

1993年、少年ジャンプ黄金期。
『ドラゴンボール』『幽☆遊☆白書』『SLAM DUNK』が誌面を支配する中、
桂正和は“恋”と“遺伝子”をテーマに異色の挑戦を仕掛けました。

未来から来た少女・かりんと、恋を知らない少年・純太。
二人の出会いは、DNAよりも深く、心を変えていく。
そしてこの物語は、“恋が人を進化させる”というメッセージを、
90年代ジャンプ文化のど真ん中で静かに放ちました。

本記事では、あらすじ(ネタバレ回避)から、
物語に込められた“恋愛・進化・記憶”のテーマまでを考察します。

目次

『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』ってどんな漫画?

人口過密が社会問題になっていた63年後の未来世界。
子供を2人以上作ったら死刑という法律が作られた中、100人の女性に一人づつ子を作った「メガプレイボーイ」と呼ばれる「桃生純太」が新たなる問題となっていた。

未来ではDNA遺伝子書き換えの技術が確立している。
その起源を断つため、未来の政府はDNAオペレーターの「葵かりん」を過去へ送り込む。
任務は「最初のメガプレDNAを持つ青年の遺伝子を書き換えること」。

しかし、桃生純太は、女体を見ると嘔吐してしまう特異体質の持ち主。
疑問を持ちつつも任務を遂行するかりん。

DNA遺伝子書き換え後、純太とかりんの二人の関係は次第に揺れ動いていく。
さらに幼なじみ・亜美や、学園のアイドル・倫子を巻き込み、
DNAも感情も暴走を始める――。

科学が支配する未来と、感情が交差する現在。
そして、純太の中で“恋”という未知の力が芽生え始めた。

『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』のおすすめポイント💡

・タイムスリップ系の漫画が好きな人
・サイキックバトルが好きな人
・超サイヤ人が好きな人
・やっぱり桂先生といえばお尻という人

作品情報

作品名D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜
作者桂正和
巻数全5巻
ジャンルSF ラブコメ バトル タイムトラベル 尻 スーパサイヤ人ロゼ
掲載誌週刊少年ジャンプ
連載期間1993年36・37号 – 1994年29号
アニメ
OVA
1994年10月7日 – 12月23日
1995年
ドラマ
映画

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『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』を読む

テーマ考察①:恋がDNAを超えるとき

1990年代前半。
週刊少年ジャンプの誌面は、ほぼすべてがバトル漫画で埋め尽くされていました。
友情・努力・勝利――。
この三本柱の下で、登場キャラクター達は力を競い、技を磨き、頂点を目指していたのです。

そんな中で登場した『D・N・A²』は、まるで遺伝子の突然変異のような存在でした。
「恋愛」と「バトル」、
「科学」と「感情」。
本来交わらないはずのテーマを、桂正和は1本の物語に融合させてみせたのです。

“恋”が人を進化させる物語

主人公・桃生純太は、女体を見ると嘔吐してしまうという特異体質の少年。
いわば、恋愛というステージにすら立てない遺伝子を持った存在。

そんな彼が、未来から来たDNAオペレーター・葵かりんと出会うことで、
人間として、そして男として“覚醒”していきます。

この「覚醒」は、単なる能力の進化ではなく、
恋を知ることで、彼の心の構造が変わっていく瞬間でした。

純太が見せる優しさ、戸惑い、そして守りたいという衝動。
それらはメガプレDNAでも、科学でもなく、
“恋をした少年”としての自然な感情。

つまり、この物語の本当のテーマは――

恋が人を進化させるということ。

バトルの中に宿る“感情のエネルギー”

当時のジャンプ漫画では、「戦う理由」が友情や正義であることが多かった。
だが、『D・N・A²』ではそれが“恋”だった。

純太が竜二と拳を交えるのも、
かりんが涙を流すのも、
亜美が勇気を出して言葉を紡ぐのも、
すべては「好きな人を守りたい」という本能的な想いから生まれている。

この“恋のエネルギー”こそが、
物理法則やDNAのプログラムをも上書きしていく。

恋することで、人は強くなり、優しくなり、進化する。
純太が変わっていったように、かりんもまた“恋によって変わっていった”。

テーマ考察②:別れと記憶の中の“愛”

『D・N・A²』の副題「〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」には、
単なる“遺伝子”以上の意味が込められています。

それは「記憶の中に残る誰か」を指している。

「〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜」とは誰か

物語の終盤、葵かりんは任務と感情の狭間で揺れ動く。
任務を全うすれば、純太との関係はなかったことになる。
でも、その“なかったこと”の中にも、確かに存在する感情がある。

笑い合った時間、交わした言葉、触れたぬくもり。
たとえ記憶が消えても、それらは“心のどこか”に残り続ける。

「何処かで失くしたあいつ」とは、
自分の中にもう一度出会いたい“過去の想い”なのだ。

記憶とDNAのメタファー

DNAは、形を変えながらも命を繋ぎ続ける情報。
それはまるで、人の「記憶」と同じ。

誰かを好きになった瞬間、
人の中には、その人の“痕跡”が刻まれる。
それは遺伝子のように、次の選択や行動に影響を与えていく。

葵かりんが未来へ帰るとき、
純太のDNAは確かに変わった。
だが、それ以上に変わったのは――
彼の“心の設計図”だったのではないか。

この作品が伝えたかったのは、
「愛は遺伝する」という幻想ではなく、
“愛は記憶として受け継がれる”という真実。

恋の終わりは、新しい始まり

『D・N・A²』は、甘い恋愛物語でもなければ、完全なハッピーエンドでもない。
だが、その不完全さがどこか現実の恋に近い。

かりんと純太は再会することはない。
それでも、二人が過ごした時間は、“何処か”に確かに残っている。
それは亜美が純太を想い続ける姿にも、
変わろうとする純太自身の中にも生きている。

別れは消滅ではなく、変化。
“愛していた”という過去形の中にこそ、
本当の「愛の記憶」が息づいている。

まとめ

漫画の旅人

大好きな漫画の一つ。
全5巻と短い巻数ながら上手くまとまっています。
途中のバトル路線も良かったが、作者の本来の構想であるトレンディドラマバージョンも見てみたい。
原作とはだいぶ展開の違うアニメ版も一見の価値有り。

個人的に大好きなシーンがラスト。
作中でメガプレ遺伝子を覚醒させないために奮闘してきた純太。
メガプレ遺伝子を抑えこんだ純太は、かりんとデートしているのだが、最後の告白で「亜美のことも好きだけど、かりんのことも好き」というメガプレ純太も真っ青なナチュラルプレイボーイっぷりを発揮する。
さらにメガプレ遺伝子も最後の最後で解放され、かりんを未来に帰さないようにするのだけど…
あれだけメガプレ純太に弱かったかりんが涙を流しながら銃を構えるシーン。
名シーン。何度見ても泣ける。
第一話のシーンと対になっているのも良い。
この記事が『D・N・A²』に興味を持つきっかけになれば幸いです。

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